安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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めでたいノーベル生理医学賞
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〈 2010年 10月 5日 火曜日 )


● ノーベル生理医学賞
体外受精IVF(In Vitro Fertilization)俗に試験管ベビーと呼ばれ、開発された当初は倫理道義の面から非難を受けてきた。ひところは実験中止を求める声が大きかった。

この実験を1950年代に始め、成功したのが英ケンブリッジ大学のRobert G エドワーズ名誉教授(現)85歳である。68年に実験が成功。人体へ有効な医療の開発は、婦人科医のPatric ステプトウとの共同研究による成果である。87年最初のIVFベビーが誕生、以来32年経っての授賞である。惜しむらくはステプトウが故人になったので授賞できなかった。この二人が1988年にIVF センターを創設し、ここでの成功例から世界中に広がり確立された医療に至った。

●めでたい授賞
不妊症の女性が10人に一人といわれる。IVFによって出産出来た400万夫婦の歓びを思えば、実にめでたい授賞である。IVF出産の子供が普通の子供と同様に健康に育ち、最初のIVFベビー、87年生まれルイーズさんは結婚して4歳くらいの子供がいる。授賞がおくれたのはそういうIVFの安全性を見極める必要があったからだろう。驚異の体外受精がグローバル出産医療になるまでの長い道のり、

●ノーベル賞発表日程
4日の生理医学賞に続いて、5日物理学賞、6日化学賞、7日文学賞、8日金曜日にはノルウェー選考委員にいる平和賞、11日経済賞が発表される。
文学賞では村上春樹氏が日本でよく話題にされているが、当地の予想では長らく耐えている北欧作家、特にスウェーデンの詩人トマス・トランストロマーTomas Transtr嗄er(69)が最有力、2番手にノルウェーの作家ペール・ペッターセンPer Pettersen(58)。毎年有力候補にあがっていたシリアの詩人アドニス、ユダヤ系アメリカ人のフィリップ.ロス、イスラエルのアモス・オズ、イタリアのクラウディオ・マグリス、村上春樹などノミネート常連がいる。ノーベル賞選考過程は▽買収されない▽漏れない、が徹底していて予想はまず当ったためしがない。今年の生理医学賞はiPSいわゆる万能細胞の開発者である京大の山中教授らが共同受賞を有力とされたが外れた。(了)

明日のコラムは今年の平和賞について、「08憲章」の劉暁波氏(54)はじめ、議論をよぶ候補者がめじろおしである。





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