安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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石油と漁業を失う決定
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〈 2010年 9月 25日 土曜日 )


●国連総会昼食会
那覇地検が中国人船長を不起訴釈放したのに面食らいました。粛々法に則して結果が覆水盆に帰らず、決定は覆せないが日本列島ただではおさまらない予感。検事が記者会見で:
「我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当ではないと判断した」とはおそれいった。

前代未聞の本分を逸脱した行為。だからこれは検事の判断ではなく、身の程知らずにエラぶったとミエミエ、はい政府の意向ですね。もちろん閣僚が担当検事に伝えるわけではないが、上から廻り回って耳に入るまで1時間とかかるまい。民主党トップはレアアース禁輸措置とフジタ社員のスパイ容疑逮捕でタオルを投げた。

これは歴史的大失点である。領土問題、漁民の操業、海上自衛に日本の力がなし崩しに弱まるだろう。この海域での日中係争は、今後国際世論が中国に組することも打撃となる。これまでも世界の報道は北京や上海の記者特派員が東京より数も多く地位も高いためいきおい中国側にたった見解となる。

●浅はかな米の日中理解
米国務省には中国のやり方に閉口している者多く、日本の困惑に同情連帯感がある。しかしオバマら閣僚になると、日中係争はないことに越したことはない。どっちでもいいから鉾を収めてほしいとニューヨークでオバマは温に話した。だがオバマは温に言い負け、ユアン(人民元)切り上げ要求にノー、その理由を説いた温にオバマは反論出来なかった。日本との対話を中国に要請するなどとてもできない。反対に菅は拍子抜けするばかりに降りてくれた。

船長釈放でWH報道官は歓迎を述べ一件落着と安堵。オバマの対日観はその程度である。下院が人民元に圧力をかける「対中制裁法案」を予定通り24日に可決した。上院では否決される見込みなので成立しないだろうが、米国民はただではおさまらない。そのことを中国はよく知っているから、来たるべき国民の反米に備えて、空気抜きに反日を試し菅政府の実体を握った。

●次は米中の神経戦争
日米は民主党になってから中国の恫喝と翻弄に毅然と対応できなくなっている。先月、空母ワシントンが加わる北朝鮮にむけた米韓軍事演習が、係争海である黄海で行うべきところを中国人民軍の圧力に日本海での演習に変更された。人民元と米の失業率に相関関係はないが米国民の反中は増幅する。中国今の反日は来たる反米の空気抜き前哨戦であろう。この勝負に完勝した中国がどんな反米策をくりだすか。(了)

明日から5日ほど休暇に、コラム休みます。





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