安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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居心地よくなった腐敗国連
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〈 2010年 9月 24日 金曜日 )


●国連総会昼食会
国連総会恒例の昼食会のようすをはじめてTV映像で見た。円卓が大会場にいくつも並び、首脳閣僚級十人くらいが一組になってそれぞれ円卓を囲み、上等なフルコースを戴いてワインを飲む。国連はいまとても居心地のよいところだ。オバマ政府になってから国連内部の汚職やスキャンダルを追求しなくなったからである。

米国連大使はスーザン・ライスという。オバマの鸚鵡マネを喋る人ですがどんな女性かお忘れでしょう。しかし「国連の10階以上は要らない」と金食い虫の国連腐敗を難詰したジョン・ボルトンはご記憶だろう。国連改革に角付き合ったコフィー・アナンとブッシュの時代から、国連改革をすっかり反古にしたオバマに助けられて、潘基文はニコニコと地位を保っている。

●無力化された国連内部監査室
今年7月に経理や人事の腐敗を調査する内部監査室担当国連事務次長が抗議退任した。潘事務総長の指導力を嘆いて腐敗が野放しになっている。監査しようにもボスがえへらえへらしているので監査が不可能になった。という趣旨の三くだり半を残して出て行ったのだが、オバマは反応せず。潘さんは誤解ですと何事もなかったようにすぐ後任を任命してチョン。国連外交官、職員はよろこび自分たちに安全なMr潘を盛り立て守るようになった。

●国連をおだてて利用するオバマ
指導力のない国連は常任理事国に都合がよい。クリントン長官はハッキリ国連は力がなくてよい」と発言している。オバマは国連腐敗を追求せず国連内の反米をやわらげて、以て米の国連安保提出議題を通しやすいようにし、イラン制裁強化、北朝鮮制裁延長を実現させた。だが履行については各国独自の判断にまかすなど骨抜きを織り込んだ法案通過である。オバマは業績をあげることに熱心で、医療保険改革、金融規制法案なども中味は相当修正のうえで可決されたのだが、それでも大変な業績として歴史に残るだろう。Me first のオバマは、中味や実施効果よりもこの歴史に名を残すことに御注進であると見受ける。

●強引なイ・パ和平調停、狂気の沙汰。
オバマは24日、2度目の国連演説をおこない、一回目とおなじくイ・パ和平交渉に関して演説の時間をさいた。年内に妥結も可能「来年の総会には国連加盟国としてイスラエルと平和共存するパレスチナ国家代表が参加する所を見るだろう」と拍手喝采を得る。モラトリアム(西岸入植地建設の凍結)の延長10ヶ月をイスラエルが同意するようもとめ、諸君はシニカルにネガティブに捉えるべきでないという。

交渉に進展がなければ(現時迄ゼロ)イスラエルは建設再開するハズだ。そしてアッバスは席を立つ展開の確率が最もたかい。もしや、国境、エルサレム帰属、パレスチナ人帰還の三大難題に合意が成立したとしよう。すればオバマの金字塔である。しかし選挙なしに居座っているアッバスはガザのハマスから裏切り者にされている無資格者である。もしやの合意が平和裡に実行されると考えるなら狂気の沙汰。ハマスとファタの内戦が始まると考える方が正気だ。わたしはシニカルでもわざとネガティブでもない。和平合意が成ってもペーパーワークに過ぎない。(了)





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