安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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サマーズ・エンドとWHエクソダス
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〈 2010年 9月 23日 木曜日 )


●サマーズ・エンド
とは、22日付FTの見出し、よくできてますね、ハワーズ・エンドをもじったいかにもイギリス的機智。

サマーズが年末に辞めます。オバマはご苦労さんスピーチで金融危機を回避出来た政策立案の功労者とねぎらった。そんなものですかね、破産寸前のウォールストリートと自動車業界にリストラさせて必要なだけ資金をテコ入れすれば立ち直りまさあね。金融界はうれしいから危機回避だとつられてメディアも自讃するが、そもそも緒端を発した住宅ローンの被害者たちや失職した層になんら益はなかった。

貧困層の増加は歯止めがかからず、住む家がないからいい歳の大人が親と同居する家庭がめずらしくない。2年前のアメリカならありえなかった現象だが。

●ガイトナー、いつまで我慢?
オバマの経済チームはサマーズ議長ほか、先に経済補佐官など二人辞めたのでガイトナー財務長官がチーム再編成のボスになるが、決定権はオバマにある。さっそく自分に辞任要求を突きつけている共和党に協力をとよびかける醜態。オバマに言えと命じられたのか、通貨元への非難を口封じされたほか、苦渋を呑んできたガイトナーに来年辞めたくなる状況が生まれる。

●WHエクソダス、親友ラミー円満退職?
オバマが友達を側近筆頭ポジョションWHスタッフチーフ(首席補佐官)に据えたエマヌエルがシカゴ市長選に出馬するはなし。本人はまだどちらとも決めていないが、米中間選挙を待っていては遅れる。レーガンやブッシュと違って、物事をスタッフに丸投げしないオバマの傍らで鳴かず飛ばずのラミー(愛称)はシカゴ市長に乗り気だという。副官ピーター・ラウスが暫定になることも確定ウワサであり、予想は十月はじめにラミーはWHを去るだろう、多分。

●新刊「オバマの戦争」
ウォーターゲートを暴露してニクソン辞任に追い込んだボブ・ウッドワードの新著「オバマの戦争」が一斉に報道されたが中味は暴露ナシ、アフガン3万増派にまつわるオバマの脱アフガンプランの強要と、軍参謀たちの反論「そんな先のこと約束できません、4万出してください」という軋轢。およびビンラデン拘束にメンツをかけて3000人の特殊部隊を推進するオバマ。

出たばかりの本を呼んだ訳ではないが、ウッドワードは当事者たちの動きをドラマ風に構築するのが上手で読者をあかせない。が、半分以上は文学者なのでレトリック上手のオバマに惚れ込んでいる人だ。次の引用箇所など、あほらしくて読めませんな。
as a commander-in-chief who is analytical, strategic and decisive, with a broad and clear-eyed view of our national security and his role as president. 

どなたでしたか、米の若い女性ジャーナリストがオバマをme first と形容していました。アグリーです。(了)





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