安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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スウェーデン、最右政党躍進
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〈 2010年 9月 21日 火曜日 )


スウェーデン総選挙は19日に当日開票即日開票結果が出たので、中道右派連合が勝ったものの過半数に三議席たりない結果は旧聞になるが、今日のスウェーデンがどんな状況にあるのか、邦字紙はあまりつたえていない。

●若年層のハイ失業率とサヨクの関係
経済の数字だけ見ていると、先日発表された世界のビジネスチャンス番付でスイスに次いでスェーデンが2位に先年の4位から上昇している。しかし経済成長率は日本並みに悪いのは我慢しても、社会的にみれば失業率は8%を超え、なかでも25歳以下の若年層は30%に達している。専門職がなく経験のない若者の働き場所は限られており、いつまでたっても就職出来ずにこの年齢層が上がる傾向にある。

いまオスロの移民人口は25%にまで増えた中味は中東アフリか系だけではなくスウェーデンの働き手がかなりいる。効率的によく働くので誘致するきぎょうもある。夏に行ったキプロスでもなにかと世話をやいてくれたノルウェー旅行会社の駐在女性と男性もスウェーデン人でした。

ところがそうやって外国へ行ってでも働こうという若者は多数ではない。例の福祉政策があるため仕事がなくても食って行けるから、この層の政治姿勢がたいへんにサヨクで、ラインフェルト首相のモデラート(穏健党)が高福祉見直し、病欠中の給料カットを打ち出すのに猛烈に反対する。仲間意識からだろうか移民の若者と一緒に移民規制反対、人種差別反対デモに熱心だ。投票率が82%というおどろく高率になったのは、ふつうなら選挙にでむかないこの連中がこぞって投票したことが一因。

モナ・サリーンの労働党が終盤追い上げ、浮動票を救い上げたのもさりながら、若年層と移民系スウェーデン人が労働党にいれるため投票したことは見逃せない。

●移民規制を求める右派,はじめて国会へ!
今回最右翼が初めて議席を獲得し、しかも一挙に20議席(総数349議席)も占めたのはセンセーショナルでした。党名は民主党という。ラインフェルト票を食いちぎったこの民主党の党首はジミー・オーケソンJimmie 〔esson、ガリ勉学生のような男性だが88年に彼が創立した政党だからそう若くはない31歳。彼の主張は940万人口のスウェーデンに14%の移民は多すぎる、大鉈でカットせよ。イスラム風習は我国に不適といった内容。実際スウェーデンが受け入れているイラク難民はノルウウェーとデンマークが受け入れている合計より多く、リトル・バグダッドと呼ばれる地区がある。本人は人種差別主義者ではないと躍起だが通じないようだ。

民主党党首 ジミー・オーケソン

選挙運動中もTV討論からはずされた。(まだ議席がなかったという理由らしい)立会演説は大声をはり上げものを投げるサヨクから、オーケソンを守るためポリスが大きな輪になって囲む。中でマイクを握った党首が直立姿勢で一所懸命演説を完了。ナショナリストでもない、聞く耳をもてば当地の進歩党とおなじ右寄り、常識の範囲内だとわたしはおもう。

●ラインフェルトの続投がきまったものの
さてラインフェルトは緑の党から協力を拒絶され、労働党にも出発時のオバマみたいに与野党協力を申し出たがもちろんダメ。オーケソンとは組まないと宣言しているので、せっかく続投きまった首相だが過半数割れ、議会第一党の野党を向こうに回して、4年もつだろうか。オーケソンがキングメーカーになる可能性は低くない。(了)





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