安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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世情に追いつく
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〈 2010年 9月 8日 水曜日 )


しばらく時事問題から離れていたので、いそぎ雑談でキャッチアップしておこう。
●フィデル・カストロ再起
カストロは健康に自信をもちましたね、ハバナの大学で40分の国際情勢演説をこなした。内容はとりたてていうこともないが、靴から帽子まで革命軍服で現れたことにおどろく。勲章も飾りもないゲリラの軍服をきた本物のカストロが戻ってきた。シンボルの意味しかないとはいえ、この元気なら、弟のラウルはキューバ民主化を遅らせるしかあるまい。

●ギラードで労働党政権続行
オーストラリア下院総選挙の怪談は2週間を費やして労働党ギラード首相が確定した。無所属の二人は労働党よりだが、一人は保守連合へ、二人が労働党にわかれて怪談がおわったのであるが、ギラードさん個人への好悪があってこうなったようだ。これで与党連合76議席、アボットの野党連合が74議席の下院となったのだふが、与党連合の結びつきは盤石ではない、緑の党も無所属も議会では是々非々で法案にあたるというから、ギラード政権はきびしい資源政策を余儀なくされる。そうなると日本は少し、中国はたいへんつらくなる。

●オバマのインフラ投資500億ドル
中間選挙向けのス景気刺激がありありのタイミングで発表。旧くて危険な橋やボロボロになった道路、立体交差を修繕し、高速鉄道の建設等のインフラ刷新はオバマの選挙公約だったが、金融メルトダウンと自動車産業の救済措置のために棚上げされていた。しかし大規模なインフラ投資にしては予算が雀の涙である。基本的にはこの雀の涙(4兆2千億円)すら現今の財政状況では出すべきではないだろう。ということで発表後にNY市場が下がる奇妙な現象がおこった。高速鉄道に関しては、中国が資金提供してでも受注したい意思表示をみせた。たくさんドルを溜め込みすぎたからなのか、中国が米に王手をかけた象徴的な提案である。

●プーチン、キャンペーン始動
2012年の大統領選挙にプーチンが出ると、ご本人は明言しないが夏のシベリアを黄色いラーダを自分で運転して廻ってきた。鮭を食べるクマを見物したり、クジラをアーチェリーで銛打ちしてニュースに事欠かない。これはあきらかに大統領選挙キャンペーンですね。任期4年に改正されたので、次回選ばれれば在任8年という長期大統領新記録だ。シベリアではプーチンが運転する小さなラーダの前後には数台の護衛車と救急車がつき、もう一台の黄色いラーダがダミーとしてコンボイに加わっている。なんでも冬になると零下50度までさがるシベリアではラーダでは走れないからという。それで夏のあいだに廻っておこうという算段。今、世界で国民人気No.1の政治家といえばプーチン。プーチンが出るといえば、メドベージェフは降りrしかないだろう。

●サルコジの腕力
空き地に集団バラックを建て、キャンピプを張るロマ(ジプシー)を出身国のルーマニアに強制送還した。非定住者の違法キャンプをショベルカーで取り壊す。今年中には予定の700人を全員送還する見通し。ロマたちは欧州どこにでもいる。北欧のロマは定住アパートを持ち、子供は学校に通うたてまえだが、キャンピングカーで「外出中」が多い。EUではこういったロマ送還が他のEU諸国に波及しないか心配で、合法性を問題にしようとしたが、国の治安問題が先行し人権のみで裁定できないためうやむやになった。EUは国境を越えた労働市場であるが、旧態依然たる国境なき放浪は許すべきでないとおもう。サルコジはロマ問題に先鞭をつけた勇敢な宰相。

フランス人は個人主義、ときに愚衆と化す。火曜日、サルコジの年金改革に公共・民間の労働組合が1日ストライキを敢行し、役所では30%の職員がウォークアウトした。病因や学校もやるのは賛成出来ない。老人が多数を占めるこれからの社会が、現行の60歳からの年金制度を維持出来ないことは先進国に共通の問題である。なかでもフランス早過ぎる60歳定年制である。警官や消防員はもっと早期退職できる。それが62才からになったところで怒り出すほうがエゴだ。当地では40年以上も前から定年67歳が法定である。家内もわたしも満期まで働き、わたしはなお日夜働いておる。しかしなんですね。10万人がデモ行進するパリは久しぶりでフランスらしい風景に感激したぞ。、愚集ガンバレ、サルコジさんには2年後の選挙にどうせ勝てないですから思い切った施策をつぎつぎに実行してほしいですな。(了)





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