安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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オーストラリア政局夏の怪談
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〈 2010年 8月 24日 火曜日 )


●オーストラリア政局夏の怪談
オーストラリアの選挙は労働党、保守党共に過半数に達せず、互いに無所属と緑の党との連立を模索してまだ決まらないありさま。南半球はいまが冬だが、豪州政局夏の怪談である。

社会主義的理想主義と環境を掲げて高揚した人気を背景に登場したケヴイン・ラッドが、いざその政策を実行するとうまく行かなかった。日本のクジラ捕鯨に反対もその一例、G.Peaceワトソンに過激な行動をしても不大丈夫と思わせた背景にはラッドのような環境派首相の存在にある。また

●ラッドの失政
温室効果ガスの排出権取引制の導入に失敗し、コペンでの過去最環境会議の成果無しが追い討ちをかけた。そしてこともあろうに地元を含む鉱業ほか資源会社への重課税、これも個人的な資源保護の理想からでた政策だが、企業と労働組合いの反対とラッド引き下ろしがはじまった。オーストラリア労働組合(AWU)の支持を失えば労働党の首相はおしまいだ。

●労働組合を見方につけたギラード
もともと国民人気で首相になった人だから、移民政策の緩和で難民が増加するようになり、致命的支持率低下に至った。そこへ労働大臣をしてAWUに好感をもたれていたジュリア・ギラードが新党首となり、今回の選挙で保守党のトニー・アボットと下院選挙を争った結果が夏の怪談となった次第。

ギラードは英国女王を戴く旧大英帝国(現英連邦)からの脱退、共和国を標榜する。ギラードはウェールズに生まれ育った経歴からしてイングランドからの独立は、彼女のサブリーム意識にあるのかもしれない。メルボルン大学では学生組合の幹部だから性向としては菅直人とおなじ左派平和主義である。

●??
ギラードが政権を担うと仮定して、いったいなぜ、ラッドの二の舞になるような労働党の候補がまた豪州首相になるのか。キャリア十分で熟年の女性という魅力が大きいだろう。

保守党が振るわなかった理由に、豪州経済は他所に比べればわるくなくそのため保守党にはキャンペーンの焦点に経済を持ち込めなかったことがあげられる。それだけに今後の豪州経済失速とギラード政権の崩壊は正比例する。ギラード政権はラッドより早く支持を失うことになるだろう。(了)





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