安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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パキスタンの災難、洪水とザルダリ
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〈 2010年 8月 6日 金曜日 )


●危機の時に出国する首長がいた
パキスタンのモンスーン雨は未だ降り止まずインダス河の氾濫は南へ南へと。カラチが対策準備を始めた.被災者400万人にのぼる今日もザルダイはイギリスへビジネスプロモートに行ったまま帰っていない。

キャメロンがインドでシンと一緒にパキスタンのテロを非難し物議を醸したが、そのキャメロンとザルダイがロンドンで会談する予定が早くから立てられていたというので気まずい会談になる。なのに洪水の最中出て行った。こんな男がベナジール・ブットの夫ということで身代わり大統領に選んだ国民に責任があるといえ、あんまりだな。わたしすぐ戻ると思ってたら個人的な関わりもあるビジネスプロモートに行ってたのだという。

国家的災難の時は首長たるものは国内にいて陣頭指揮することになっている。そのため予定の訪問をキャンセルしたり、訪問中に急遽帰国することは当然あり、許される。09年胡錦濤はウイグル暴動発生にイタリアサミットを中途キャンセルして帰国した。チベットの時は温家宝首相がインドオネシア訪問をキャンセル。呉副首相が小泉首相との会談を胡錦濤の指示でドタキャンした身勝手なものもある。プーチンがロシア森林大火に現場に行ったことは前回書いた。あれはモスクワでの会議をキャンセルして飛んだのである。

比べてザルダイの態度はなんだ、パキスタン国民は何故非難しないのか、あの男では怒ってもはじまらないと諦めてルのか。ベナジルが暗殺され、PPPの後継者に指名された英国留学中の息子ビラワルに、父のザルダリが学業をおわるまでオレが後見役だと自分が大統領になってしまった。判っていたがどうやら息子を政界に関わらないようブロックアウトして二期を目指す。建国の父ズルフィカル・ブットはクーデターで失墜し処刑され、その息子たち二人は殺害されたり不審死を遂げ、長女で暗殺されたベナジルが関わっていると疑われていた。ザルダリはステーツマンの足下にも及ばない男だが、この世界の遊泳術だけはしたたかである。

●ファティマ、津塗られたブット一族を書く
そういう血塗られたブット一族のドロドロが本になった。ザルダリの姪でジャーナリストのファティマ・ブットという現代の烈女といえる若い女性がいる。ファティマ・ブットのオフィシャルサイトhttp://www.fatimabhutto.com.pk/

彼女の新しい本 Songs of Blood and Sword , by Fatima Bhuttoが電子版で既にあるが、9月28日に出版予定、ブット一族の国家を私物する骨肉の争いを書いているという。

先日この女性がスチーブン・サッカーのハードトークにゲストだったので見たのだが、今年中に世界格好で出版されるという。(了)





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