●菅直人と財政赤字削減
菅直人氏が首相になって初めての演説で日本の財政赤字削減に着いて触れた。そうすると欧州では大変好意をもってカンはきっと我等と歩調を合わせて本気で緊縮財政と財政赤字削減に取り組んでくれる、オバマは景気刺激策をゆってくるが、財政再建がさきだ。ギリシャ、スペインだけではない、イタリアはもちろんイギリスもフランスも危機ラインである。ユーロ建て直しが先決だ。
しかしカンさんはその後財政赤字削減の目標を示さない。日本の財政再建策は話題にしなくなった。サミットへ持参した再建策はスケジュールに具体性がない。G20の首脳宣言で先進国、つまりG7は総べからく2013年までに財政赤字を半減すると盛り込まれた。が、先進国の日本は例外になった。日本の現況では目標不可能だから宣言に入ってもらっても意味無し。カンさんの言うように信頼されたのか、いいえ、見放されナメらたのです。
●生活水準低下を強要できるリーダーはいない
そりゃ国債の種類がギリシャのように外国投資家が所有するのではなく、に本国債は国内で日本人が大部分90%以上もっている。日本経済悪くても売りに出したりしないからいいのは今のうちで、国債所有層は老化が進み、死ぬ前に処分する時が一斉に来ないとも限らない。右肩上がりの景気は二度とないのだから財政カットしか赤字を減らす方法はない、でしたね。
わかっていてもこれを実行出来る首相の出現は絶望的。日本だけではない。オバマ政権では米の財政赤字が増加するばかり。いまフランスではサルコジ閣僚たちの豪勢な公私混同無駄使いスキャンダルに揺れ、サルコジは政府公用車一万台と公務員宿舎7000戸削減すると言っておきながら、政府が払うサルコジの私用経費は減るどころか増えていた。イギリスもフランスも景気刺激策との綱渡りでは目標の半分も進まないだろう。たしかなところはドイツだけ、ドイツの赤字は許容範囲だが、東ドイツで育ったメラケルはそれでも危機感を持っているからだ。(了)