安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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キルギス、民族Identityの頑迷さ
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〈 2010年 6月 15日 火曜日 )


●サッカー、勝てばいいものですね
南アフリカではサッカーWCが国中挙げて熱狂しております。かといってこちらサッカーに興味無し。そしたら多分私知らないだろうとおもって「日本が勝ったよ」と電話で教えてくれた友人がいた。カメルーンに勝ったという。
弱い相手ではない。大いに調子に乗ってくれ、次も勝てよ。

●鬱
最近悪いニュースばかりで憂鬱だ。メキシコ湾はもう数日で……との甘言を何度もくり返し、BPのいうことに聞く耳もたなくなった。噴出量は当初より激しく傷口を開いた結果になった。あと半年?一年?これじゃBPは破産、身売りですね。オバマが四度目のルイジアナパパ訪問に出ました。大統領がやれることは少ない。アイスクリーム食べて未だきれいな所があるから観光客に来てくださいと誘致の弁。

●女子学校に毒ガスをみまうタリバン
タリバンが勢力をもつカンダハルでは女子学校をつぎつぎに毒ガス攻撃、致死量ではないらしいが女の子に学校へ行かせないようにという原理主義。我国ではかつて<男女七歳にして席を同じふせず>といわれたが、女は読み書きするなという歴史はなかった。だから原理主義者と戦う米軍がいくら武力で押さえても彼等の考え方は変わらないだろう。

●キルギス内戦
キルギス暴動から内戦へもうすぐ一週間になる。わたし、バキエフが首都ビシュケクで起きた民衆の抗議デモで国外逃亡したとき、四月だった、空白をオトゥンバエワが仕切れるか危ぶまれたが、米ロとも支持を表明し次第に落ち着いた。あの隣のおばさんみたいなオトゥンバエワが正式に政府発足してうまく行くかと思ったらいまや国はズタズタの無法国家になってしまった。

●民族アイデンティティーの頑迷さ
バルカンでは人種抗争がイスラム系とキリスト教系の戦いで宗教紛争という判りやすい仕分けができたが、キルギス系とウズベク系の争いは両方とも同宗キリスト教徒でしょ。言語も似ています。人種的にもおなじモンゴル容貌だし、いわば北欧ノ・ス・デ三国のようなものですわな。しかし假に日中韓人が阿波の四国に等人ずつ住んでいたら、と考えると内戦必至だろう。民族とは文明を共有してもなお頑迷で永遠に同化しない堅物なのだ。

ことの始まりはバキエフの地盤であった南部でバキエフ派のギャングが公共施設を攻撃した。そしたらキルギスのギャングが応酬し、南部のウズベク人を追い回した。めくら撃ち、商店奪略女子供が数千人規模で逃げ惑い、お隣のウズベキスタンでは難民をこれ以上物理的に受け入れ困難と月曜日、国境封鎖した。数日で何万人もじゃ無理もないが、鉄条網にひしめく母親と子の群衆、こんな映像はとても直視出来ない。

ウズベク人が多い25万人都市オシでは人がいなくなったという。

●難民の上で踊る米中露の思惑
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は難民になってはいったウズベキスタンでの活動にいわば限定され、キルグス軍の攻勢を止めるべき国連軍はもちろん議題にも上がらず、はロシア軍が入り、軍事基地を持つ米軍もいるが食料テントや医療支援にとどめ、治安には関与しない。東に国境を接する中国が支援に軍用機を飛ばす。難民の頭上で三巨頭が暗躍するマンガが描ける。(了)





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