安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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キャメロン39歳が率いる英国
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〈 2010年 5月 13日 木曜日 )


●保守の首相と自民の副首相
英新首相キャメロンの連立内閣が発足した。自民党のクレッグが副首相に、組閣裳ほぼ固まったが、名前を見てもわれら外国人には知らない人ばかり。とにかく若い、キャメロンは39歳で、お腹の大きい奥さんと選挙運動やっていたしクレッグは43歳にしては若く見えるが経験から云えば若すぎる。知ってる顔といえば古い人に属する影の内閣をやっていたもと党首のWヘイグ外相くらいだ。

●イングランドがブリテンを統治
さて今回の選挙は当地ノルウェーでも国営放送が夜通しライブで開票の行くえを実況中継したので、本場のBBCとSKY、米のCNNのライブをカチャカチャやりながら当日は夜遅くまで拝見しておりました。小さな選挙区から結果が出るのでスコットランドが早い。すると労働党の地盤だけにブラウンがリード、この調子だと私内緒で予想していたようにブラウンはメンツを保って敗北できる。保守党は概ねスコッツを無視し、特にサッチャーがスコッットランドなどなきがごとき言動だったのでそのウラミが今でもあの辺で根強いとの解説がありました。そうかもしれませんな。

●ゴードン晴れて引退
ゴードン・ブラウンはすぐ切れて部下をボロクソに叱ったりする難しい男と云われていて、それが例のマイクに入った声の件で露呈したが、あれのどこが悪いのでしょう。プライベートにぶつくさ文句云うぐらい構わんし笑わせる。党首討論ではブラウンを見直しました。公的には笑みを浮かべてイラつかず檄抗しない。その点キャメロンはすぐ表情に出る。で、マイクの件も実際投票結果に悪影響が出たとはおもえない。ま、あとはミリバンが党首になって労働党再建につなげてもらおう。

●負けてもキーパーソンのクレッグ
一年前、まだ金融クランチ発生前に選挙があれば、キャメロン保守党が確実に単独多数を占める情勢だったことを考えると、今回のキャメロンは人気の経済政策の転換を迫られ、過半数を取れなかった。新顔クレッグの新鮮さが、ちょうどオバマのように選挙戦で盛り上がったが、そこはイギリス人とアメリカ人の違いでマスフィーバーは起こらず、フタを開ければ自民党は8議席減っていた。連立のキーパーソンだからって有頂天になっては困ります。

●予報:支持率はすぐ落ちるでしょう
世間では13年ぶりの保守党政権、1812年以来の最も若い首相、連立はウインストンチャーチル以来、50年ぶりのイートン出身とか、全てがチェンジみたいに云われている。連立政権は55%だが両党全議員の賛成で出来た連立であり、機能するかどうかに心配はない。問題はやはり経済、財政赤字の立て直しでしょう。欧州どこでも、ドイツもフランスも緊縮財政に入った。キャメロン内閣は人気の出るようなばらまき政策はとれず、支持率はご祝儀の折りからなんですが、年末には30%台に落ちると予測します。

●スペインのピンチ
スペインではサバテロが公務員給料を平均5%カットとベビー補助金カットを7月から実施すると発表、建設ブームが破裂して失業率が20%を超えたまま推移している。ギリシャならコケても平気だが、スペインがもしデフォルトするとドイツ、フランスは大変なことになる。イギリスはポンドを維持しているので通貨政策でクッション可能。キャメロンの腕に架かっている。そういえばこの人の父上は株のトレーダーでした、どうぞ無茶されませんよう。(了)





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