安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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吉村長慶(12)大阪にある長慶さん
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〈 2010年 5月 8日 土曜日 )


●ヒゲの大黒(大阪箕面竜安寺)
長慶シリーズ12回目になりました。長慶と石造物についてごく一部を紹介するに留めるネット掲載ですから、そろそろお開きにいたします。まずモミジが見事な箕面の竜安寺、昔はサルが闊歩して危なかったが去年行った時はサルを見なかった。この寺は富クジの発祥地でお金に縁がある。

北浜・堂島で相場に滅法強い長慶さんにあやかろうと北浜常連の大阪商人のあいだに長慶ファンができた。そういう長慶ファンの紹介でこの竜安寺に立体座像の大黒天をひとつ寄進したのですが、この大黒はヒゲを生やしている。で、その理由が背中に彫ってある

朝暮に祈念して専(もっぱら)我が神霊を遷(うつ)すが故に、御面相漸次吾に似たり.奇しきと謂うべき也」。

まことに奇しき現象、実に堂々と聊かの恥じらいもない。見上げた心意気ですね。置かれている場所は石段を全部上がって弁財天絵馬堂にある。いつも戸が閉まっているので風雨にさらされず、出来たばかりのような真っ白な花崗岩のまま、戸を開けると目の前にあるのでツブサに観察出来ます。背部は見えないので刻文を漢文と訓読を併記した木札が置いてありました。社務所に断れば御供え物しなくても拝観OKだとおもう。

右手に打ち出の小槌、腰に宝剣、大きな袋を肩にかけ大物主命の姿でドッカと米俵に片足アグラで座っています。米俵に子と亥(鼠と猪)を刻み一年分の糧をあらわす。


●円窓の入棺像(大阪平野大念仏寺)
大阪平野には融通念仏宗の総本山「大念仏寺」がある。ここの大きな墓所、本堂の右横から真っすぐ入るとすぐ判ります。四角い井戸にフタをしたような石組があり、一面に丸い穴が開いている。だいたい人はきじかないのか、物置台と心得て、持ってきた花やなんかを切りそろえたりしているが、これは石棺なのです。なかに長慶さんがいて羽織袴で端座、円窓からオレの墓に誰が来るかと覗いている。だから外から穴をのぞくと長慶さんと文字通り鉢合わせ。ちょっと汚れているが、ペンライトで照らすと左手に帝国憲法、右手をヒザに置いて如来道の巻物を握っておりましたぞ。羽織の紋は「九枚笹」。先祖紀氏のこの家紋は寺裁であった長慶父方の家紋であり、長慶寺の寺紋でもある。
石棺の横に笏を胸元にもつトンビの壽像碑があり、いっぱい碑文が彫り込まれている。要旨は同宗長慶寺建立のこと、奈良県宇陀郡赤植の岩壁に厄除観音を彫ったこと、我家は同宗の門徒であり当代の法主とは昵懇なのでここにも石碑を置かせてもらう云々。





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