安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ウーゴ・チャベス、次は貴様だ
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〈 2010年 4月 11日 日曜日 )


●支持を失なったチャベス
久しぶりにヴェネズェラのチャベスについて、思えば2選目にこの男今度は危ないと予想して見事外れ、しかし3選はあり得ないと捨て台詞を書き、その07年の3選をチャベスは果たした。絶対にインチキやったと遠吠えして以来、負け犬小生は黙していたが、チャベス人気に翳りが出て半年になる。いまや全国的不支持が60%に達し、貧民層では不支持が80%になろうとしている。本来チャベスを支持した貧困層が背を向けたのだからチャベスは落ちた偶像である。なぜか、昨年来の世界経済縮小のアオリをチャベスは、盟友キューバと同じく経済対策を取らなかった。中国やインドのように対応策を講じることもなく、先進諸国の厄災に手を叩いて喜ぶ無策の結果である。

首都カラカス、毎日8時間の停電続く
産油国ヴェネズェラはチャベスがエネルギー産業を国有化した。もう何ヶ月も電力エネルギーがない。なんとなれば70%の電力は水力発電によるもので、このところの天候異変が災いしてダム水位が極端に低下し、首都カラカスでは毎日8時間停電、交通信号もないから車より歩行者に危険だ。いままでの消費量によって節電%が決められ違法者には罰金。チャベスのいう「電力厳戒令」まさに灯火管制である。地方の町では夕暮れともなれば北朝鮮みたいに通りは真っ暗。工場が稼働しない。電力不足で勤めを毎日半ドンにした地方自治体があるそうで、給料は全額だから経済はズルズル悪くなるばかり。

■ 石油価格が足踏み、見込んだ輸出量に達せずチャベス基盤にダブルパンチ。
■ 昨年のインフレ27%、Broomberg の調査統計に上がる78カ国中最高%。
■ 経済成長率昨年は−5%くらいだろうか、最新統計が見つからない。08年までは5%の成長率があったので、体感10%は大きい社会的不安要因になる。
■ 今年1月、ヴェネズエラ通貨ボリバル切り下げ。WSJの
■ 日本語http://jp.wsj.com/World/Europe/node_20967 を参照

●独裁国家が倒れるとき
独裁国家では経済がわるくなっても政府が倒れるとはかぎらない。キルギスのバキエフが倒されたのは、あの経済ではムリもないが治安軍が野党側についたことが最大要因である。チャベスもそうで経済悪化でも全然動揺していないが、掌握していた軍部幹部と忠実な閣僚からボチボチ離反者があらわれた。政府を批判するTVを潰し、野党の口封じを徹底、チャベスは憲法改正して大統領4期に道を付け、プーチン以上のことをやり遂げた。たが、9月の総選挙で野党議員が増えると、批判の声を封じることはできない。こんどこそはお引きいただこう、まだ二年先だが待ち遠しい。(了)





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