安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ウラン濃縮三段跳びへ
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〈 2010年 2月 11日 木曜日 )


●ティモシェンコ、編み上げ頭の中味
ティモシェンコが敗北を認めるとおもいきや、不正があったとして提訴にでた。しかし国際監視団がルール違犯はなかったとして選挙結果を全面的に認定したからには、提訴はサボタージュに他ならない。最高裁での結論はわかりきったこと、ティモシェンコの政治生命はこれで終わったとみてよい。ついでに彼女がもつ石油の利権もロシアが切ろうとすれば切れる。そうなれば特権階級から転落するのだが、人間落ちる時はバカを露呈するスものですね。

●イラン、ホップーステップージャンプ
イランがウラン濃縮を20%まで上げたというので米は経済制裁包囲網をつくろうと懸命になっている。実際9日からナタンの核施設で生産が始まった。、専門家はそう見ない。こういう飛躍型の技術はかけ算式に進歩するらしい。そういえばイランは従来2−3%だったが一挙に20%、これは7−10倍の濃縮に成功した事を示す。この調子で進めば次は50%を作る。90%のウラン濃縮にイランが成功するのはそう遠くないという見通しだ。既に核搭載の中距離ミサイルを保有している。

ところでイラン側はあくまで原発平和利用が目的と言い張り、それには20%濃縮ウランが確かに必要。で、これ以上の濃縮は必要ないので行わない、というのですが研究試運転で高度濃縮をトライしないでガマンできっこない。それに米を怒らせて反米で団結する体制を現在のハメネイを戴くアフマディネジャド政府が止められない情勢だ。

●よりタフな経済制裁
米はイラン革命防衛隊に軍事物資や大量破壊兵器二使い化学物質を供給する企業に経済制裁を課し、イランから石油を買う企業に締め付けを強くする。といえども蛇の道はヘビ、抜け穴を塞ぐのは常に困難だった。特に中国は大っぴらにイランとの通商を拡大しイランの最大貿易国は中国になった。いずれよりタフな制裁を国連安保理で決定される。今回はロシアが制裁にまわる。イランの石油が輸出に支障があるほうがロシアに都合がよいからで、OPECが石油価格の低下を止めようと減産協定したところでロシアは目一杯生産し輸出する。そのおかげでこのところ石油価格が低く安定しているわけで。世界市民としてわるいことではない。

●脅威を共感できない中国
中国は商売第一のほかにも国内の民族問題がからんで、イラン制裁はやりたくない。反欧米の国が核兵器を振りかざしても脅威を感じない人々の国に脅威といっても通じないだろう。アメリカはもはや中国に経済制裁を迫れる国ではない。せいぜいある種の中国製品の関税を上げたり、チキンの足など米では食べずに棄てる品物を高く売りつけるくらいしかない。

でもまあ,中国が安保理で拒否権を使うほど反抗的でないだろう。そしていずれ数年先にイランは90%純正の核兵器用濃縮ウランを生産するようになる。(了)





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