安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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オスロからコペンへ行く演説オバマ
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〈 2009年 12月 10日 木曜日 )


●COP 途上国の現金な団結
各国交渉担当代表や科学者、環境団体代表などによるコペンハーゲンの環境会議COPがはじまった。オバマをはじめ首脳は最後にちょっと顔を出して、中でも大物のオバマなどが演説の時間を貰って喋るだけ。で、実態はどうかというと開発途上国が一番団結しておる。彼らはCO2を出さないから、クオータを売って金儲けしか頭にないから、先進国に割当分を高く売ることでいっぺんに団結してしまった。現金な者だ。

先進国はというと一番マジメに努力しているように見えてもアフリカ諸国からクオータをかなり買って辻褄を合わせている。その他の先進国はこの場に及んでなお渋々で、十年前のイギリス気候変動調査機関の長が送ったE-メールがリークしてねつ造の疑いがあるとか我田引水をメディアに焚き付けるあさましさ。まさにこの期におよんでである。

●オバマ、スピーチは有効か
その筆頭がスピーチ過信のオバマである。オバマはコペンハーゲンで目標数値を出さないでもヴィジョンを示せば起立拍手を受けるか、いいえ、交渉代表者会議ではダメ、環境保護のプロには絶対受けない。と思う。そのまえ、今日ですがオバマはオスロに現地時間朝到着する。ノーベル平和賞授賞式でのスピーチは、この授与に批判的な大衆をコロリと覆すのではないか。スピーチがうまければ熱狂して浮かれるのが大衆である。メディア人種また然り。オスロでは有る程度成功するだろう。

●米に批判的なノルウエー政府との会談を優先したオバマ
オバマのオスロ滞在は、まず当地の首相、外相、防衛省と環境相が4人でオバマと会談、一時間半となかなか時間を割いた。アフガン増派御断り支援金も遠慮する、米の環境政策に注文をつけるノルウェー政府でありながら、オバマが他の恒例プログラム、ノーベル博物館のオバマ特別展示(せっかく突貫工事で新展示を作った)や、記念コンサートをスッポカシ翌朝立つというのに、ストルテンベルグ首相+戸の会談に応じるのはなぜか。全員英語ができ突っ込んだ意見を聞きたい、つまりお勉強になるからだろう。

●鳩山首相は毅然たれ
鳩山さんには早速WHに招待して敬意を表したものの、当てがあずれた。コペンで会談申込を断られたのは日本側の弁明に終始する愚痴話を聞いている時間はないということだろう。別に鳩山さンダケでなくて、ただ会いたいという首脳はみな断られているから気にする事はないが、普天間問題で首相は決まる迄毅然と孤高を貫けばよいのだ。米の関係者は怒り、日本の心有る人は困っていらっしゃるようだが、怒らせてよし、困ってみせるのも良し、沖縄の基地をどうするかは結局オバマの決断によるが、オバマは決断どころか日本への苦情を公に演説する度胸はない。一件落着した暁にGood speechを聞かせてもらいましょう。

●イラクの腐敗治安警察と最悪のアフガン治安警察
イラクのこと、先日のバグダッドで5発が中心部で連動爆発テロは、この国がどうにもならない腐敗した治安組織であることを如実に示した。何重にもチェックポイントを設けて市内を警護している筈が、トラック一杯に爆発物を満載した車が5台も入っていたのである。500人が負傷し、127人が死んだ。マリキ首相が直ちに治安警察のトップを更迭して軍のNo2を任命したが、できるのはそれ以上ないのが実情だ。内部の総スクリーニングを第三組織にやらせるのが最良の措置。とは判っていても哀しいかな、左様なマトモな機関を創設できる国情ではない。

アフガニスタンは、ただ今国軍や治安部隊強化のため、街路にたむろする失業者や浮浪者を駆り集めて訓練することにした。それで米軍が撤退出来るかお笑いぐさではないか。タリバンに入るより給料が少し良いという触れ込みで、平和とは何かを知らないデクの棒を訓練したってどうなるものか。イラクよりもっともっと程度の悪い治安部隊がアフガンに跋扈することになる。(了)





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