安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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来週、オバマがやって来る
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〈 2009年 12月 4日 金曜日 )


●オバマがやってくる
オバマ大統領が後一週間をまたずにノーベル平和賞授賞式にオスロにやってくる。取材に来る各国記者約800人の名前と宿泊先が登録され、専用機でWH公認の随行記者がこれに加わる。警備の警察はかつてない大予算を組んで、オスロ市内、中心からオバマの通るルート上のマンホールをチェック、何も仕掛けれられていないか確かめた上で溶接している。鼠一匹通さない警備体制。これに要する総額にくらべればオバマがもらう賞金などピーナッツ、米軍機を飛ばして、核のボタンを含む大統領の全コマンド機能を果たすオフィスをそっくり運び込み、設置がおわったところだ。大統領専用機2機を飛ばす費用は幾らなのか、僅かの賞金をもらうためになんてこった。ノーベル平和賞はそれほど価値があるというのか、そういえば笹川良一がノーベル平和賞欲しさに賞金の何倍もプロモーションにつぎ込んでいましたっけ。

●不穏な予感
不穏な予感がする。アフガニスタンへ3万人の兵力増強を最悪の状態になってから決めた。どうせやるならあまりにも遅い決定で、タリバン退治より市街地や町や村の警護がおもな仕事だ。そすれば誤爆で民間人を殺し、怨まれることもすくない。武装派を追って激戦、待ち伏せや路肩ボンブで米兵の死傷者が減る。しかも撤退開始を2011年と明言し、米市民に歓迎される事請け合いだ。それがオバマの新戦略である。バイデン副大統領の影響といえる。タリバンは静かにしていれば米軍が数年で激減するこの増派をほくそ笑んでいるだろう。

●欧州の厭戦気分
欧州はどうか。来年1月にロンドンでアフガン支援国会議が開かれ、このときのアフガン情勢とカルザイの出方によって欧州側がオバマが要請する増派をどうするか最終的に決める。ブラウンが今どういおうと、NATOのラスムセンが景気よく請け合おうが来年迄はきまらない。フランスは微々たる協力なのにサルコジは増派しない、政治的解決が必要と撥ね付けてきたが、オバマの増派演説でついフラフラと靡いていますが、サルコジは移り気の男とてどうなるかわからない。ベルスコーニは死に体だし英独仏みな国民の反対が巨大だ。欧州で一万人の増派は見込みがない。

さて、当地ノルウェーは人口割りで欧州最大の兵力をアフガンの国連軍に送っている。もう出せないと首相が言った。米は了解済みでもないが、派兵要請にワシントンから派遣された特使の女性は支援金を倍増せよと当地のTVで喋った。そんなやこんなで、オバマのオスロ訪問は不穏である。

ま、そうはいっても日照時間が短く暗い12月はお祭りで盛りあがるのが好きな国民だ。近頃の当地メディアの論評はオバマのアフガン新戦略を支持し不穏の種を潰すかのようにプラスの面を書き連ねるようになった。(了)





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