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紙パックサイズの人工衛星
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〈 2009年 11月 24日 火曜日 )
● ご無沙汰しました
たいへん長らく休んでおりました。いつもはせいぜい5日ほど、一ヶ月間も帰省するのは初めてでした。その間、新聞TVを見ず読まず世事の浦島太郎になって帰ってきたところです。それだけ自分の仕事、ある人物の調査にかかり切っていたということです。世事ではオバマが天皇に90度のオジギをしている新聞写真をみたことくらいでしょうか。オバマが最初のアフリカ訪問の際、サウジ国王との握手に手を頭上に深々とオジギをして物議をかもしたが、あのときは其の写真を添えてコラムで「アフロイスラム」の出自が影響したかと書いたようにおもう。大英帝国女王には友達みたいな握手をしておきながら、サウジ国王には精一杯へりくだる実にみっともない光景だった。 ●浦島太郎のセンスで それで、我が天皇皇后両陛下に対してニギニギしく腰を折ったオバマを見るに堪えんかというと「苦しゅうない」と思うのだな。この辺りに天皇制に信をおくわたしの身勝手が隠せない。ま、金大中がサッカー観戦の折り天皇の前を横切る無礼よりはるかによい。 浦島太郎は帰りの機中でやっとゆっくり新聞を読んだ。日本の政府見解はデフレ化という。知人がマンションを探していたので住宅の安さに驚いていた。だからデフレ化はさもありなんとおもう。当地ノルウェーの土地建物は既に半年前からクランチ以前にもどり、いまでは最高値を更新する勢いになり、アメリカでも住宅販売が回復してきたというのに。デフレスパイラルなんてことにはならないと思うが、給料は伸びず横ばいを覚悟し、人員整理に遭わない己を慶賀すべきであろう。 ●紙パックサイズの人工衛星 KLM機中の雑誌にミルクパック・サテライトを打ち上げたオランダの工科大学生のお話があったので要点を書き写してきた。衛星の名はThe Delfi C3。デルフィとは工科大学のある地名で画家フェルメールの生地として知られる以外は平凡な土地だが、欧州宇宙研究技術センターの先生が指導教授になって、3年間紙パックサイズの人工衛星に取り組んできた。太陽電池セルはカリフォルニア大の技術を貰い、南インドのシハリコタ宇宙センターでロケットを作りそこから打ち上げた。観測装置は何も乗せていていないが、音波を発進しこれを世界各地のハムをやっているアマチュア無線家300人がキャッチして報告してくる仕組みになっている。 北朝鮮があげた宇宙衛星(失敗)とやらも音波だけ出すようにしてあった。してみると北のロケットと衛星技術はオランダの大学生に劣るわけ。6カ国協議に力が入らないのは北の軍事能力が実際の脅威になっていないからであろう。問題はイランである。(了)
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