安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ジュネーブ・マナイタの上のイラン
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〈 2009年 9月 30日 水曜日 )


●一ヶ月以内の査察を
明日はジュネーブで国連常任理事国とイランが核問題を協議する。例の濃縮ウランの秘密施設の存在が白日の下に曝されたので、既存の施設と核開発計画のすねてを白日の下に開示しろ、早急(一ヶ月以内)をに査察を受けるようにというのがオバマ+の要求するところ。イランはあくまで平和目的、原子力発電の目的という一般論で押し通す。個別の核施設は国際常識に照らして他国と協議するアジェンダではない。ま、いつもとおなじでガンコです。会議中にミサイル実験をまたぞろやりますかな。

●よろ法師につまずきの小石
決裂は目に見えているのでオバマ+はイランを経済制裁するにあたって、これまで以上に制裁措置の監視態勢を厳しくして完全孤立以化を考えている。効果があるか、大いにあるとおもう。ハメネイとアフマディネジャドの宗教軍事政権は先の選挙で絶対ではなくなった。あと一押しで倒れそうな「よろ法師」は小石ひとつで転倒し、骨折する。イラン人は国際ニュースや電話、ネットで自国の置かれている立場を十分認識しているので日常生活に不便が起これば制裁を受けた為と認識出来る。北朝鮮とはここがちがう。孤立化は政体チェンジに効果ありとみる。イランがNPT核不拡散条約から脱退するなら究極の孤立化だが、その辺は従来通りノラリクラリで、形勢が悪くなると復帰しますとか、IAEA査察の日程に着手しましょうとか、判っていてもだまされるんだな。

●イラン言い分
山中に大トンネルを掘ってその中に濃縮ウランの装置を建設するのは、核開発長官で副大統領のサレヒ、Ali Akbar Salehiが明らかにした発言を数紙から要約すると:
@ 攻撃から守る。地下山中にあるため、防御のため周囲にミサイル基地や革命軍部隊を常時配置する必要がなく、しかも軍事基地の近くにあるので防衛の追加費用が不要。安上がりである
A 事故のときに放射能が漏れないか、微少で済む。安全である。
B 以前から軍の爆発物貯蔵場所であったのを拡張して転用した。
C コムはテヘランから南へ95キロ、新核施設はコムの北東へ20キロのところ。(つまりテヘランから80キロ)

●聖地コムに核施設を作るイスラムの神経
コムQomという宗教都市は日本で言うなら伊勢神宮にあたるだろうか、聖地である。東京から伊勢は遠いが、聖地コムは首都テヘランから早い。交通渋滞がありませんから、実感として東京ム横浜くらい近い。そしてコムの近くには首都を守る革命軍の本隊を抱える軍事施設がたしかにある。歴史上イスラムでは聖地、聖堂が軍事活動の本拠であった。平和目的を誰が信じようか。

イスラエルはいつでもコムとナタンツのウラン濃縮施設を空爆発進態勢にある。オバマがOKしないこともあるが、まず経済制裁の結果を見てからでしょう。もし効果がなく、オバマ手詰まりとなれば空爆やるでしょう。しかし今度はイランにも報復のミサイルがある。前回のように破壊しておわりとはならない難しさがある。

ひとつ、忘れておりましたが、ジュネーブ会議に国連安保常任理事国でないドイツが加わる。イランのミサイルが飛んでくる国ではあるが、二期目を確保したメルケルへのご祝儀でしょうか。

ツナミ、サモアを襲う。M8の地震。自然はおそろしい。協議できる対象じゃないわな。(了)





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