安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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大列車強盗団のビッグス釈放
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〈 2009年 8月 7日 金曜日 )


●映画「大列車強盗団」のモデル
懐かしい、忘れていたあのイギリス郵便列車強盗の一人が79歳で刑務所暮らししていたとは。木曜日、ジャック・ストロウ法務大臣がビッグスを釈放した健康回復の見込みがないという理由で。ブレアの外務大臣としてイラク開戦で叩かれたが、ブラウンの法務大臣になってみんなに喜ばれる恩赦をやりました。

●刑務所脱走
そうか、あれは1963年だったのか。記事でおさらいするとグラスゴウを出発した郵便列車が15人の覆面強盗に襲われ、260万ポンドが強奪された。実に手際よく誰も怪我しなかった。いまのお金にして50億円ですぞ。まもなく全員が逮捕され、ビッグスは30年の判決を受け堅牢なWandswarth刑務所に留置されたのですが、15ヶ月で脱走、これがまたおみごと!手製ロープを作り塀を乗り越え,待ち受けていた車で逃走、パリで整形手術をして妻子供たちと海外へ逃亡。

●日本の3億円強奪
日本ではその後に東京でおきた3億円強奪事件、現金輸送車を白バイ警官に変装したひとりが盗んだ事件の方がニュースになった。だが犯人は紙幣のナンバーが記録されていたので使っていない。焼却したのだろう。だから捕まらなかったが使わなきゃ盗みの意味ないわな。

●盗金を使い切ったビッグス一味
ビッグス一味が盗んだ金は、殆ど見つかっていない。スコットランドヤードのメンツにかけて必死の捜査を、いつも寸前で躱しスペイン、オーストラリア、ブラジルバルバドスと36年逃げ回った。ブラジルでは英と犯罪者引き渡しがなく、ビッグスはブラジル人女性とのあいだに子供がいる。ここでは大手を振って大パーティーなどやって、70歳の誕生日には出所した仲間を招待したほど。

●やっぱり小山が恋しいと
それでもやっぱりお国が恋しい、余生を故郷で過ごしたいのですかね。昔のナジミのパブでビールが飲みたいとMy last wish is to walk into a Margate pub as an Englishman and buy a pint of bitter てなことを言っております。

自首の決心をする。2001年にイギリス行きの飛行機に乗り、ブラジルの制空権を出た機上で逮捕された。手錠をかけたのはビッグスを追い続けたスコットランドヤードの刑事スリッパー、両者感無量の瞬間。

●後悔ゼロのビッグス
でだいたい思い通りになったではないか。史上最大の列車強盗、計10年も刑期を受けていない。一度も犯罪を後悔するとか謝罪するとかしなかった。「列車強盗に加わったおかげで普通では経験出来ない恵まれた人生を得た」いってくれましたな。だから恩赦ではなく、病気持ちの老人をいつまで拘束するのかという態度。3〜4度結婚し、強奪金で優雅に暮らしたが病気には勝てなかった。

傲然たる態度のため釈放がやや遅れたがストローは回復見込みがないとの理由で解放したわけだ。(了)



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