安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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デマで焼き討ち、パキスタン
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〈 2009年 8月 3日 月曜日 )


●鬱憤ばらしにマイノリティー襲撃
デマが大衆を動員しマイノリティーを襲う。関東大震災の犠牲者は火災によって大きくなった。朝鮮人が放火したとのデマ・風評が広がり東京から全国に広がった自警団や大衆の朝鮮人襲撃は6000人を殺害という忌まわしい事件があった。きっかけさえあれば鬱憤の晴らしどころを少数グループに向けるモブ、土曜日、パキスタンで同根の「デマで焼き討ち」事件が起きた。

パンジャブ州のゴジュラGojraで、クリスチャンの結婚式でコーランを破る侮辱があったというデマがひろがったのは一週間まえである。警察が調査してデマにすぎなかったと発表し、ポリスは沈静化したと問題視しなかった。教徒を保護するよう政府の要請を無視したのである。がなぜか、ポリスはムスリムだから。

●焼き討ち略奪の社会的下地
しかし怒ったムスリムたちは信用せず土曜日に集結してキリスト教徒の住居区に向かってデモ、家々に「出てこい」と叫びながら放火したのである。怖くて出ていけるもんですか、クリスチャン町の50軒が火の海になっては逃げ場もない。焼け跡から七人の遺体が発見された。焼け跡の瓦礫にあと何人黒こげの死体が埋まっているか全容はまだわからない。また焼けなかった100軒が略奪された。

武器を手に先頭で煽ったのは違法禁止されたムスリム右翼Sipah-e-Sahabaというグループだという。例のパキスタン北西部でタリバンと一緒にいる武装派だ。そうだろうが付和雷同して加わった民衆、イスラム社会の不満が下地だ。過激派の仕業としてその下地を隠蔽してはならない。ま、ザルダリには無理だろう。治安軍を出動させ、騒乱には軍で対処するしか能がない。

●最高裁、ムシャラフの複数措置に違憲
 日コラムのフォロウです。ムシャラフが証人出頭命令に応じないまま違憲判断が出た。風見のザルダリは有罪にしたいらしいが、前大統領の欠席裁判ができるかは難しい。ムシャラフはロンドンにいるが、出頭命令を受けていないと30日に側近チームが発表、ムシャラフのFacebookにもそのニュースがあるがムシャラフ側の言い訳工作だ。真相はパキスタン最高裁が召還状を同国のムシャラフの農場に持って行ったが受け取りを拒否されたからである。

アメリカがムシャラフなど知った事かと手のひらを返した態度に変わった。イギリスではどうか、証拠があれば戦犯のための国際法廷(ICJ)に訴えることがあり得ると英議会のパキスタン系議員が語っている。ロンドンで裁判することも可能だとも言う。ま、イスラム支持者へのリップサービスだろう。イギリス政界はノータッチである。(了)



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