安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ミャンマーと北朝鮮の軍事協力
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〈 2009年 7月 22日 水曜日 )


●バンコク入りしたクリントン
インド訪問を終えたクリントンがバンコクに来て、首脳会談の後で随行記者たちと会見し、首脳会談のことよりお隣のミャンマーと北朝鮮の軍事協力があやしい、この地域にシリアスな不安定要因をもたらしていると心配げにしてみせた。でも互いにどんな軍事協力、北からの技術移転の実体はほんとうのところ把握できていない。

●圧政と貧困、北朝鮮とミャンマーは同じ穴の狢
ミャンマーと北朝鮮はお互い圧政を敷く貧困の国、国際社会からツマハジキされている境遇から互いの協力関係は2000年ごろからあったようだ。2007年に関係修復して正式に国交を再開、以後北がブローカーになってミサイルの部品などを海外から調達する動きがある。しかしミャンマーが核兵器を手に入れたい理由がない。その点でパキスタン、イラン、シリアに北の核技術が移転されたよう関係ではないだろう。ミサイルはあり得るだろうが。

ただしミャンマーはウラニウム資源がある。やはり2007年にロシアが軽水炉原発をミャンマーに建てる計画があったがそれっきりで実施されなかった。ロシアがNTPに加盟したミャンマーでIAEAの査察を嫌ったからといわれている。

●ミャンマー軍政の火遊び
ところが昨日のニュースではそうも言っておれない疑惑が明るみに出た。核関係の部品装置を輸入したのではないか。21日のWPによると、欧州から精密機器がミャンマーに運ばれたという。教育用品とかの品名で運び先が原子力科学者となっていたらしい。いろいろ偽装するのである。発注したのは北朝鮮の官僚が操作するダミーの貿易商社。この商社は北京に支店とダマスクスに事務所をもってシリアの原子炉建設に一役買った。このとき資財を欧州と中国から調達している。シリアの原子炉は2年近く前にイスラエルが空爆して破壊したのだが、以後北のこの商社「南川江Namchon貿易」は要注意になっていた。

日本でも先月ミサイルに転用可能な磁気測定器をマレーシア経由でミャンマーに輸出しようとした北朝鮮貿易商社などの業者3名が逮捕され、今月20日に起訴された。外為法でしか起訴できないようじゃ生温いのですが。

●U-ターンした「カンナムI」号
北が約束を破ってミサイル実験を再開した際、国連安保でが制裁追加措置が取られた。あのときは中国もロシアも金正日から相談を受けていなかったのでアタマにきて安保理がまとまった。北の疑惑ありげな貨物船を監視、海上で臨検はできないが港で検査できるこの決議によって、米海軍が北の貨物船「カンナムI」を追尾した。どうやらミャンマーかと確かになったとき突如U-ターンして戻った事件が先月ありました。あれはミャンマーに対して国連と米だけでなく、中国も圧力をかけたので功を奏したのでありましょう。

密林のなかに造ったミャンマーの政府首都は地下トンネルが縦横無尽に走り地下施設がスゴイのだそうです。このシステムを見た外国の記者はいないが首都移転後数年間に撮影されたトンネルの写真は多い。そのなかには北朝鮮の技術指導員が写っているものがある。(了)



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