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後光が消えたハメネイ
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〈 2009年 6月 25日 木曜日 )
● ハメネイの権力構造
イラン最高指導者の大アヤトラはホメイニのときから武力をバックにした大権を持っていた。現在のハメネイはホメイニの下で8年間大統領をやり、大アヤトラに絶対服従してイラン権力構造の基礎、すなわち革命軍を大アヤトラの指揮下に置いた。で、いまこのハメネイが大アヤトラに、大統領のアフマディネジャドは絶対服従、革命軍、正式には革命防衛隊という、はハメネイが握っている。宗教政治の名の下に独裁軍政を行っている この革命軍は既にテヘラン入りしているがこれまではとデモの鎮圧に出動していなかった。いま私服や民兵服がデモの横合いから警棒でなぐりかかっているミリシア「バシジ」もアヤトラの統制下にあるが、革命軍からあぶれた連中、いわば極右のヤクザみたいなゴロツキだ。正規の革命軍はイ-イ戦争の精鋭部隊が母体で、自分たちが表に出ないときは民兵ミリシアを操っている。核兵器が完成するとこの革命軍に配備される。 ●抗議に参加する聖職者やアフマ支持者 どうやら革命軍の少数が水曜日から「部隊」として前に出てきた。バンジの数も多くなった。24日のデモは蹴散らされたようである。ハメネイは来週中に武力で抗議運動を不可能にしようとしている。しかし沈静化させたとしても私の予想ではハメネイはもう長続きしない。権威は地に落ちました。いままでなら大アヤトラがひとこというと、全国民が従ったけれど、今回のデモには聖職者やアフマに投票した者も驚くほど多くデモに参加している。 ハメネイ+アフマ派対ラフサンジャニ+ムサヴィ派の権力闘争が見えない所で進行中。どちらが勝つかでイランの今後が決まるという冷めた見方がプロの間で一般的だ。抗議デモに現れる動きよりも、暗躍する内部権力闘争で政治が決まるのが民主的ではない国家の特徴、中国を見よという。なるほどではあるが、イラン情勢は民衆の力に勝たせてやりたい。 ●イラン非難に遅れてきたオバマ 選挙前にオバマがハメネイに終わったら対話しましょうと親書を送っていた。かまわないが、そのためかイラン非難が「ネダ」の一件でやっと出た。英独首相が非難して4-5日経ってやっとのザマですからね、どうしてオバマがあいかわらず人気あるのかわからん。 土曜日イラクのキルクークで怒った爆破テロで80人死亡、昨日はサドルシティーの市場で70人がテロボンブで死亡、いったいどうなってるの?アメリカのみなさん、米兵が殺されないなら問題にしないっていうのか。(了)
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