安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アヤトラの國の選挙フィーバー
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〈 2009年 6月 12日 金曜日 )


●イラン選挙活動終わる
イラン、選挙戦おわる。金曜日投票を待つばかりとなりました。アフマディネジャド(53歳、以下アフマ)と元首相で改革派のムサヴィ(68歳)のTV討論は第一回目は紳士的で、真ん中の司会者が発言を振り分けて一見アメリカ大統領選挙のTV討論みたい、意外や民主的だ。支持が少数の二人与えられる時間が短く、次のTV討論をボイコットした。でも民主的である。だからおかしいな、おもしろくないぞとおもっていたら4日放映されたダイジェストで本性が出しました。

●TV応酬、あなたはウソつきだ!
両者とも激高しないので顔色変わらないが互いにウソつきよばわり、泥試合はアフマが断然押していたな。何を言われても「それは米イスラエルが操作している間違った情報だ」とケリを付けてしまい、あとはムサヴィ側のあれこれを延々となじるのでディベートにならない。私は見ていないが、ムサヴィともう一人の候補者レザイ(55歳)が図表で経済政策の誤りを質したが、やはりシオニスト機関(Zionist entities)の歪曲情報と、対話討論になりません。

Mrオバマ、アフマと一度会談したらどうですか、よくわかると思いますよ。

イランの最高権力はご存知のアヤトラ、ハメネイの最高審判制度ですから、大統領が替わろうと180度政策転換はありえない。でもまあ替わるならホロコウストは無かった、イランにホモはいない、なんて発言はなくなるだろう。

●ウソツキ討論の効用・選挙フィーバー
イランでTV選挙討論が4年前の前回、ラフサンジャニが負けた時にもあったのか記憶にない。しかし、今回のようなウソツキ中傷討論を見た事でイランに選挙フィーバーが巻き起こった。テヘランのアフマ派とムサヴイ派の支持デモは、ありゃなんですか、旗や写真や長い布、地元のサッカーチームがワールドカップで優勝したようなお祭り、女性も多い。押さえつけられていたエネルギーだろうか、今回の投票率は高い。

さて、一回目で50%を超える候補者が出なかったら、出ないとおもう、そうすると2週間後に上位の二人で決選投票を行う。決選投票になるとムサヴィが有利になるだろう。

●大アヤトラを戴くイスラム至上主義の弊
ラフサンジャニもムサアヴィも核開発を進め、IAEAの査察に抵抗していた食えないコンビ、良い印象はもっていない。大アヤトラが認めた候補者しか選挙に出馬できないというイスラム至上主義下の制度を廃止するべし、なのでありますが、それはサウジに王制を辞めろ、リビアにカダフィを追放せよというが如きで不可能。そうそうカダフィがイタリア訪問中ですが、タラップから下りるカダフィの出で立ちは「森下仁丹」の看板にあるような金モールの肩章大礼服でありました。感嘆、みとれました。(了)



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