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暗ーいDデー、ほか
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〈 2009年 6月 10日 水曜日 )
●レバノン選挙予想
レバノン選挙は親欧与党連合が勝ちを制し、ほっとした。与党支援に帰国した数千人の票が大いに役に立った。オバマが「レバノンは安定と完全な独立への道に歩みだした」と声明、たしかにシリアとイランの影響力は減るだろう。イスラエルは臨戦態勢をしかなくてもよくなった。もってめでたしであるが、重要政策の議会採決に3分の2を確保するために両派の協調は不可欠、米の支援が思惑通りに使用されるとは限らない。どういう政府になるか見届けよう。さて、おつぎはイランの選挙が近づいてきた。アフマディネジャドの支持母体である地方の貧民層は、世の中どうなろうとおかまいなしに依然として絶対支持である。・・につける薬はないものか。 ●労働教化12年の米人記者 これはヒドイ、刑期を終える前に死にますよ。モッコ担いで土木工事なんかにこき使われ、北の思想を学習する。ここで良い子にならないと学習が足らんと反省会で吊るし上げられる。そんな体験者の本を読んだことがある。これが日本人記者さんであったなら、日本国内騒然としておりましょう。けれど米ではもうひとつ騒然としませんね。オバマもヒラリーも責められていない。もちろん背後で釈放の方法をさぐっているでしょう。早くからリチャードソンを派遣すると人選は固まっていたようだが、北が乗って来ないから進展なし。対話,対話と謂えども相手によりけりですからね。米は政治的リンクをさけて解決しようと、人道的アプローチを恩赦で国外追放を云々している。代償にぼったくられても助けてあげてください。 ●憂鬱なDデー 日曜日に恒例のDデー記念式典があった。大戦の生き残りが一人残らずノルマンディーに眠る戦友の仲間入りするまで、盛大に祝うのでしょうか、わたしはDデーのたびに憂鬱になる。公式にはオバマが、ブラウンが、サルコジが何を言おうとあれは連合軍の戦勝記念日である。誤解しないでくださいよ、わたしヒットラーに味方してるんじゃありません、敗戦側に圧倒的な無垢の死者に対する配慮がない。いや、敗戦国に対するくり返しおこなう蹂躙である。 前年度はシュレーダー独首相が列席した。止せばいいのに、米に逆らったため英仏にオンシュウを超えた同盟を見せようと列席し、見るに忍びない屈辱をあじわった。今回サルコジが式典の場所をドイツ-フランスの激戦地で、戦史で残虐なドイツ人が喧伝されたヴェルドンVerdunを選んだ事にメラケルが激怒しキャンセルしたのは正しい。いまさら式典でキズをこじ開ける意味はない。ここのドイツ人墓地は式典が行われた美しい連合軍墓地から離れた隅っこに押しやられ、墓標は質素で侘しい。シラクとシュレーダーのフランコ=ゲルマン蜜月関係からこうも変わるとは。 イギリスでは、ガーディアン紙のスッパ抜きで始まった閣僚の公費私的流用スキャンダルは5人を辞任に追い込み、しぶとく切り抜けるかと思ったブラウン首相は昨日から相次いでおこった党内の造反に耐えられるか……(了)
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