安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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アウンサン・スーチー
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〈 2009年 5月 15日 金曜日 )


●体調よくないスーチーさん
スーチーさんがビルマ民主選挙で圧倒的勝利を得たのは1990年。軍部が選挙結果を認めず軍事政権を建て、スーチーさんは自由を奪われた。以来19年になる。彼女はもう63歳、脱水症と低血圧で医者の点滴を受け快方に向かっているが、裁判中は刑務所に拘束されるという。このインセイン刑務所は劣悪な環境で健康が心配される。

あと2週間で軟禁期間がおわるというときに、いい年したモルモン教のバカがスーチーさん宅に侵入したため、軍事政権は願ってもない拘束延長の口実を得た。アウンサウン邸はインヤ湖に面した瀟酒な洋館2階だてだが、メインテナンスが出来ていないため崩れそうなボロ屋敷になっている。父のビルマ独立の英雄アウンサウン将軍が建てた木造、70年ぐらい経っているだろう。

この家にお手伝いさんの母娘がスーチーさんと住んでいる。外部と接触禁止されているので電話線が入っておらず、携帯もナシ。面会できるのは医者だけだ。身柄を拘束された19年のうち13年間がこういう状態である。

●バカ力のあるバカ
5月3日の夜、モルモンのバカが湖を手製の足ヒレをつけてスーチー邸まで2kmを泳ぎきった。働けない軍人障害手当で食ってるが、たまに土方をやって生活の足しにしているとこの男John William Yettaw (53)はバカ力がある。5日夕方まで居座った。

ミャンマーのサイト(ビルマ語)は昨年暮れにもこの男は「同じ方法で」スーチー家を訪問したという。実際その頃に17歳の息子と一緒にミャンマーをバックパックしていたことを米大使館が確認している。


WP,NT,ABCなどから情報をまとめると次のようになる:ハラが減って動けない。なにか食べさせてくれ、糖尿病なのでよろしく。とお手伝いさんに頼んで食べさせてもたった。スーチーさんに「困ります、出て行ってください」と言われたが泳ぐ力がなく、スーチーさんは仕方なしに一階のベッドを提供した。この男は「モルモン礼拝をしましょう」とトライしたらしい。奥さんは、パーム・スプリングに住んでいるゾ、主人のことは何も知らないが、なんでもトラウマから逃れる心理療法を研究しているとかでアジアに答えを見いだそうと旅している。主人は秘密主義者でいわないが、そのように推測しているそうだ。


このバカが「制限地区不法侵入」罪でMAX5年受けようと知ったことではないが、スーチーさんと二人のお手伝いさんが「軟禁条件違犯」で拘束された。

●選挙に勝てない軍政
軍事政権が世界に発表している「民主化ロードマップ」では、来年に総選挙を行い民政に移行することになっていた。軍政実力者のだタン・シュエはそれまでに民衆の支持をと考えていたが、やっぱり地滑りスーチーさんの最大野党「国民民主連盟」に負けそうなので、軍政は選挙を延期するだろうとおもう。民衆蜂起がおこったとしても弾圧されるだろう。07年の僧侶デモを力でねじ伏せたように。

米とEU、当地ノルウェーもミャンマーに経済制裁を課している。その制裁のスキに中国が侵入して権益を増やし、ミャンマーに影響力を持つのは中国とインドである。いまでは中国に圧力を及ぼす国はなくなった。スーチーさんやダライ・ラマ支援は消え行くのみか。(了)



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