安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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揺れ始めたオバマの戦争
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〈 2009年 5月 12日 火曜日 )


●小沢さん、さようなら
小沢辞任でそのニュースばっかりだろうと思うのでなにを書いても読んでもらえないだろうな。小沢さんが辞めるのは今度で最後です。もう再登場はないのですから。とボクは思う。日ソ首脳会談はどの程度話題になるのか、北方領土問題に面積2分割で方向が決まった.……とかそう言うのがなければ経済協力、学術協力、シベリア開発に日本の再投資をなどでは見向きもされないだろう。

●揺れ始めたオバマ、アフガン
さてオバマ・アメリカが揺れだした。アフガニスタン米軍司令官だったデイヴィド・マッケナンが更迭。これを発表したゲーツ国防長官の更迭説明は小沢さんの辞任説明より朦朧。マッケナンは良くやっていると、じゃ「なぜ」辞めさせたかがわからない。どちらもこの人がいるあいだは、党と軍の違いはあるが、組織がうまく機能しない。そういうことだとおもう。首都カブールでテロが続発し、米空軍が民間人を殺傷し事件で先日は首都で学制主導の反米デモがおこった。オバマはカルザイとザルダリをWHに呼んで並んで記者会見しました。あの3人何言ったかご存知ですか。カルザイは米の軍事戦略に満足している。ザルダリはパキスタン国民はアメリカを全面的に支持している。ホー、こりゃもうダメだわ。

●揺れ始めたオバマ、パキスタン
バグダッドでは米軍基地内のストレス兵治療施設内で銃乱射事件。味方に撃っちゃダメよ。しかしこんなのはパキスタン100万人の難民大移動にくらべれば、見えなくなるチッポケな事件です。キアニ将軍の対タリバン全面戦争遂行によって、政府軍とタリバンの狭間で一般市民全員がイスラマバードに向かって逃げ出した。50万人の難民キャンプが出来ているが、食料、水、衛生、野営病院、学校どれひとつまともに準備できていない。パキスタンの人口比は子供が、日本と違って5倍は多いだろう。大事ですよ。

車やトラックに乗れない人々は徒歩、政府は民族移動にバスを提供できないのか、軍はしばらくトラックを空にして避難民を乗せ、反対方向へ進むべきなのだ。こんな混沌のなかで、いままではタリバンを庇い、政府と米に敵対してきた部族難民がタリバンを見限ったこと、すなわち政府側についたことでパキスタ内のタリバンは先が見えた。確実に壊滅させられる。ちょうどタミール・タイガーがスリランカ政府軍に息の根をとめられるように。多すぎる難民と多すぎる民間犠牲者にみる戦争の惨事までウリふたつだ。

●政府軍がゲリラに全面戦争、スリランカの例
ゲリラと全面戦争に出たスリランカの状況は、これから同じ事を始めたパキスタンが辿る道である。大惨事である。どこに原因があるかといえば戦術の未熟にある。破局的惨事を通過して平和が来るだろう。そうでもないとやりきれない。だが戦い方によって破局的惨事を経ずに平和をもたらすことは出来るはずだ。 いまパキスタンで戦争指揮し、核を管理しているのはキアニ最高司令官、政府を動かしているのがギラニ首相。どちらもムシャラフが任命した。

●ニッポン外務省にお手柄
イランに拘束されていた米とイランの国籍を持つジャーナリスト、サベリさんが釈放される見通しとなった。米がどういう取引をイラン政府と行ったか、勘ぐった記事もあるが、スイスと日本の仲介がたいへん有効だったといわれている。サベリさんは母が日本出身なので努力したとおもう。今日は外務省に感謝しよう。(了)



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