安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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エジプトのブタ焼却令
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〈 2009年 5月 4日 月曜日 )


●豚インフルはダメ、H1N1と呼びましょう
「豚インフル」Swine Fluという言い方が科学的には誤解を招くというのでWHOがきっちりH1N1と言い換えるように公式にきめました。早くも字面から「ヒニ」と省略してメディアが使いだした。

鳥インフルH5N1 はかまわなくて、狂牛病、狂犬病の呼称も問題ない。どうやら狂牛病はメディウムで食べると危ない、骨髄が最も危険でだから骨つきはだめとはっきりしている。それ反してブタ肉をメディウムで食べる人はいない。ブタを食べてH1N1に感染した人は歴史上確認されていないそうです。トン骨スープはどうなんだろう、大丈夫らしい。中国ではブタの骨を酢に漬け込んで柔らかくしたのを食べますね。あれも大丈夫らしい。らしいでは困るけれどWHOは食べるなといまのところはまだ言ってない。

●ムバラクの本意はスラム追放
エジプト保健省が豚の即時屠殺令を出した。もちろんムバラクの承認を得て行ったクレイジーな国家政策である。発令されてすぐWHOの呼称言い換える発言があったので、要らぬ混乱をさけるためだろう。けれど鳥インフルのときは感染地の鶏を殺せと通達、狂牛病のころイギリス牧草地ににいたが焼却処分の黒煙が毎日漂っていた。

イランやイラク、サウジには養豚場がないから問題なかろうが、エジプトには古い時代のキリスト教を受け継ぐコプト人がいて彼らは食べる。エジプトの役10%がコプト人で養豚場経営者はもちろんコプト人である。場所はカイロのスラムにある。ゴミ処理の一環と何でも食べる豚を飼っているのが実体らしい。豚の総数約30万匹だが食べるのもみなコプト人。イスラム教徒に迷惑はかからない。しかしこの機会に養豚業者をスラムから一掃し、それは90%の支持を受ける……清潔で規模の大きい養豚場を郊外に作って移すのが本当のネライ。

本家メキシコでも元気なブタは生かし、処分令が出ていない。しかるに感染者が出ていないエジプトだけがブタの処分を決めたのは、H1N1の怖れよりも町のインフラ整備にかこつけてスラム地区の開発に着手するのが政府の目的だ。とはいえ、潰すのと建てるのはべつのはなしで、スラムがなくなるとはおもえない。

カイロ警察の執行隊と、養豚場経営者らコプト人民衆が昨日3日衝突した。当局は一ヶ月くらいかけてこのあたりの6万匹を処分するという。

●季節インフルエンザを忘れるな
メキシコの保険大臣がパンデミック傾向が、こう手で飛行機が下りるようなしぐさをして、下降してきたと言いましたな。さあ、どうでしょうか。しかし、死亡した150人はシーズナル・インフルエンザ(季節の流行感冒)で亡くなったのであり、H1N1で死亡した実数は16人だったという。これは特に老齢を迎えた人々がが知るべき重要事項ですぞ。日本でも毎年インフルエンザが原因で肺炎等の合併症状を起こし死亡する人が、ご存知ですか、1万人を超える年があります。常日頃の健康管理を怠るな、ってこと、良く寝よう。(了)



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