安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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G-20、浮いたオバマプラン
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〈 2009年 3月 30日 月曜日 )


オバマのスピーチより:
"The leaders of the G-20 have a responsibility to take bold, comprehensive and coordinated action," beginning with "swift action to stimulate growth."
『G-20首脳は、大胆かつ総括的な連携アクションで景気刺激策を速攻する責任を負う』

●オバマ流財政出動にノー
オバマがポンポンと打ち出した財政支援を各国にも「皆のもの、オレに続け」と言われても,それぞれ事情があってついていけません。G20ロンドン・サミットが4月2日から開かれる。各国首脳の間に景気対策の進め方で米の巨額財政出動に同調できない声がでている。

このところオバマが各国首脳に電話をかけまくっているのは会議が紛糾しないようにとの意図からで、お手柔らかにお願いする態度ではないが、歩調を乱すなという暗黙の指図である。雲行きはよくない。

●アンチグローバルG20デモ
会場のロンドン、ドイツ、フランス。イタリアで各数万人のG20抗議デモがあった。旗物は首切り、失業、貧困、環境などだが、チベット独立とか、ダルフール介入とかなんでもあり。なかにはこんな標語が:「おまえのクライシスにおれの金を使うな」、「資本主義は機能不全」、など銀行救済を非難する文字が多い。

オバマは選挙中にベルリンで大観衆に迎えられケネディに模したスピーチをおこなった。そのオバマが、個人への人気は健在だが大統領になって初めての訪欧はデモに迎えられる。世の移ろいやいかに。

●足並み乱れる各国首脳
世界経済の80%を占めるG20が互いになじりあうようでは世界経済が沈没しますから、この会議は誠に重要でみんな揃って「エイエイオー」のかけ声が必要であることはいうまでもない。何もしないのは許されない。しかし、中国が世界最大の米国債所有を質にドル基軸通貨に変わる新貨幣を示唆したり、米公債はもう購入を手控えると米大衆がうろたえるようなことをいう。

英中銀総裁が「追加救済に財源がない」と消極的、ブラウンのグローバル減税案は引っ込めた。ドイツのメラケルは「追加支援は様子を見てから、よそから命令される筋合いではない」、また危機は経済規模が肥大化しお金を使いすぎたからおこったので、これにお金をつぎ込むのは愚か、という趣旨も言う。現在EU議長であるチェコのトポラネク首相はオバマの財政出動を「地獄への道」と評した。経済音痴サルコジはなにやら大風呂敷で要領を得ない。

オバマは会議でパキスタンとアフガニスタンへの財政支援を要請するという。とまれ、会議の声明骨子がすでに報じられているように上手に不退転の決意を詠う。要は各国それぞれ事情と環境に合わせて取り組むことで別に保護主義ではない。(了)



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