安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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北の衛星打ち上げを容認する
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〈 2009年 3月 29日 日曜日 )


スペースシャトルが無事着陸。おめでとう。この技術は米の独壇場である。

●重力を抜ける北の試み
北朝鮮が打ち上げるのは人工衛星だというなら、見物していればいいことだ自衛隊にはまたとないパトリオットの本番実習の機会でもあるし、やってみたいだろう。だが失敗してメンツを潰し、北朝鮮にバカにされ敵対行為を罵られる心配の方が強くないか。任務にあたる自衛隊員は相当プレッシャーがかかる。

北は日本めがけて発射実験するのではない。日本の高い上空を通過して大気圏に突入させる手筈。失敗しても日本に落ちてくる確率は限りなくゼロに近い、ましてや頭上に落ちてきたらなど心配するのは気違い沙汰である。ミサイルが打ち込まれると煽る輩は目的があってのこと、地方自治体が右往左往するアジェンダではない。上を見るより車に注意しよう。

●米本土が射程に入る恐怖感
打ち上げるのは、先に失敗したテポドンの改良型で頭に人工衛星がついているようでもないが、運良く衛星軌道に乗ったときは信号を発するくらいの装置はついているだろう。米はあくまで北朝鮮がやろうとしているのは長距離弾道ミサイルの発射実験であると断定し、国連安保理決議(06年北朝鮮弾道ミサイル実権禁止)に違犯するという理由で軍事的には完璧な迎撃態勢を展開した。米偵察衛星が来たミサイルが発射する熱を察知すると、三沢米空軍基地では瞬時に軌道を割り出し、情報を自衛隊と共有する。ここまでは米の余裕であるが、ハワイ、アラスカ、カリフォルニアで迎撃パトリオットを配備しているのは差し迫った脅威からである。本土が射程に入ることを恐怖する米特有の恐怖感、「核弾頭を装填」の脅威である。

●日本のたび重なる実験
日本はテポドン初期から射程内に入っており、米につきあって大々的な迎撃につきあうのは論理的ではない。かつて中国が自国の衛星にミサイルで破壊した実験はあるが、他国が撃墜したという暴挙はいちどもない。

日本はペンシルロケット以来、初めてラムダが成功するまで、姿勢制御装置もない大気圏ロケットを何度実うちあげたことか。アメリカ、ロシア、中国から抗議されたことはない。この初めてのラムダが一周して生きている証拠の電波を送ってきたときは日本中がお祝いした。日本宇宙研の科学者が北の実験にどのような感慨をおもちか、聞いてみたい。好意的な見方だろうとおもう。

予定は4月4〜8日、迎撃は戦争を意味すると北の警告は、口脅しであろう。しかし米は二人のジャーナリストが拉致され人質となっているから軌道に向かう途中では撃ち落とさないはずだ。この一件が日本の拉致問題に対する米のより深い理解に繋がればとおもう。わたしは北の衛星打ち上げを容認する立場です。(了)



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