安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中国のベストセラー
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〈 2009年 3月 28日 土曜日 )


ただいまある興味に熱中していて、コラムをさぼっております。木曜から家内が孫のいるオスロに出かけました。追ってわたしも月曜からオスロ行きですがしばらくは独り住まいとて、ヒマ潰しに当地のニュース、ノルウェー国籍のタンカーが海賊に乗っ取られた事件を一筆します。





●「不満な中国」怒れる若者
タイトルは「不満な中国」とでも言う意味か、内外のメディアが注目するというこの本は3月12日に初版10万部を発売、第2版今週中に出るという。
タイム紙にでた書評によるとこの本Unhappy Chinaがベストセラーになっている現象を「怒れる若者」と評した。

中国の世界に占める位置について、中国指導部の外交姿勢は弱腰と批判するタカ派の若手執筆者5人がそれぞれ専門の分野から「自信をもて」と叱咤激励する評論である。執筆者は(簡体字から推量)造船技術者、青少年問題の研究員、TVのコメンテイター、社会学者、雑誌編集者など多彩な顔ぶれ。

●タカ派生年の知的武装
ちょうど海南島沖で米海軍のエコー調査船が中国船団に囲まれ一悶着あったときにこの本が出たので中国正当な地位、覇権を訴えたい若者に受けた。またG20を前に、世界一の米国債を所有する中国がドル本位制に疑問をなげかけたことが中国人によろこばれた。そういうタカ派の知的武装にピッタリである。

さらに米が発表した中国の軍装備拡張に関する懸念に、猛烈な反撥で応酬したが、この本にはいたるところ経済と軍事で世界一にならなければならないといった主張が見られる。

曰く:アメリカは経済運営に失敗し、世界のりーだーたる地位をうしなった。われわれはもっとうまく出来る。中国は超大国にならねばならない。大きな国である中国が世界に資源を求めるのは当然ではないか。

●減った人権支援者
チベットの自治権と人権の問題に、中国人が猛然と食ってかかったのを見て西側は驚いた。天安門の勇敢な中国人はどこへ行ったのだろう。オリンピックでは口パク少女や少数民族の衣装をつけた一般の漢族に国内から批判が出ないのにも唖然とした。これは政治の問題ではないのでメディアはさして取り上げなかったが、ウソで固めた演出が中国の人気をおとしたことを、当の中国人はもっと良く知るべきです。背伸びするのもいいけれど、自分を見失っては人に聞いてもらえません。(了)



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