安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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春,フランスにデモの波戻る
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〈 2009年 3月 20日 金曜日 )


●パリは春うらら
木曜日、パリはもう春ウラウラですね。この日、公共と民間の労働組合デモが組織した人々は冬のコート姿から、Tシャツ姿もあり、明るい陽ののどかなデモ行進の表情にとてもパリらしさを感じました。思い思いに、形も色もさまざまなプラカードがまたフランスらしい。

サルコジ政権になってから大きなデモは少なく、移民若者を中心とした暴徒と警察の衝突もない。内務大臣時代に暴力デモを厳しく取り締まったサルコジが芽のうちに摘み取ったからである。昨日の全国デモは夜になって投石、火炎瓶、投げ花火などを装備したフードジャケツの若者が行進し始めたが、警察機動隊の猛攻でたちまち取り押さえられ、300人が拘束された。

●フードジャケツに突進する機動隊
狼藉どもが出たのは夜になってからのパリだけで、この日は全国各地で300万人が参加、パリで120万人と組合側の発表に対し、8万5千人だと警察が発表。このあたりのくい違いも主観を譲らないフランスらしい。

フランスの失業者がイギリスと同様に200万人を超え、失業率は10%に達した。サルコジは金融機関と国内自動車産業救済に資金投入したが、公金を使うテコ入れには公衆一般は反対だ。アフガン派兵でも国民の反発を呼んでいる。フランスがグローバル景気刺激策に歩調をあわせ、GDP4%比までつぎ込むようにと、英米から頼まれてももウンといえない国内事情がある。労働者の要求-賃上げや休暇増しなどサルコジは答えてくれない。金持ちからもっと税金を取るべしと、フランス人は保護主義を信奉する。

●サルコジ苦境に
フランスは公務員、教師、地下鉄の職員まで公共ワーカーはもちろん労働者の福祉更生部門は行き届いている。それでも抗議デモを支持する国民が70%という数字はサルコジに脅威だろう。母国のリーダーに経済の舵取りと将来を任せたいと思わない国の双璧はフランスと日本になりましょうか。替え玉がみつからない共通項もある。(了)



Pnorama Box制作委員会

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