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【ねずみ講】メイドフの請願陳述
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〈 2009年 3月 13日 金曜日 )
●千年に一度の巨大詐欺
メイドフ,Bernard L. Madoff70,がやった「ねずみ講」Ponzi Scheme は100年に一度起こらないだろう。1000年に一度のペテンである。80年代からものあいだ、バレそうになってはは切り抜け、顧客に500億ドル(訴状)の損害を与えた。被害者は中国、日本の金融機関まである。 12日、予想されたように氏は有罪を認め、Plea Allocution(請願陳述)を読み上げた。 WSジャーナル電子版にPDFで全文落とせるので、読んでみると素人にでもわかるねずみ講のノウハウなんですな。おもしろい。でもこうまで騙せおうせたのは、メイドフがネズミ講をやるなどとは天地がひっくり返っても信じない名声と信頼が社会に浸透していたからでしょう。他人が真似できるワルではない。 私のコンピューターに利回り10%や1年で倍とかの迷惑メールが相変わらず後を絶たない。近頃はアメリカの住宅物件や、カナダからコテージの勧誘がある。ウサンクサイどころかはっきりペテンである。ま、見るのを楽しんでおりますが。 メイドフは会計監査が厳しい大企業にタッチせず、もっぱら著名人や慈善基金、小金持などであまり資金運用に詳しくない客から、あるいは信頼された特殊なファンドから資金を募った。被害顧数客4800。 ●罪を認める請願陳述 さてこの請願陳述は「お悪うございました。集めたお金は投資に回しておりません。ニューヨークとロンドンのメイドフ証券投資会社を往復させてごまかしておりました。みんな私がやったこと、罪を認め償いは何でもいたします。不正を隠して参りました手だてについてご説明申し上げます」といった調子で4ページをはみ出すちょうど良い長さ。まことにしおらしいのではありますが、残りのお金、着服したお金について説明はいっさいなし。家族や親戚の事業につぎ込んでいたこと、逮捕前日に妻が1500万ドルを引き出していることは世間にしられている。締めくくりで氏の言うには、スタッフへの給料ボーナスは彼らが成功裡にオペした法的に正しいトレードの利益から支払われている。との由だがどうなんでしょう。 ●保釈ゆるされず収監 家族友人を助けるといえば聞こえはいいが、メイドフの請願陳述もまたペテンくさい。ふつう経済犯罪ではアメリカでも11の罪状全て認めた場合は判決まで保釈金を払ってフリーになるのですが、チャン判事はマンハタンの拘置所収監を命じた。被害者の心情を考慮してのことである。12月に逮捕されて以来、1000万ドルの保釈金で豪華マンションに見張り付きで軟禁されていた。 メイドフが12日裁判所から直行した監房の写真を見ると驚くほど小さく粗末な2段ベッドで二人収監する事も有りえるという。6月の判決、齢70の彼には終身刑が出るまで3ヶ月をここで暮らす。机はノートパソコンがやっと載る大きさしかない。(了) ●余談 エコノミストの採点:バーナンキ71%、オバマ60%、ガイトナー49% WSジャーナルとNBCの調査結果、ガイトナーが2月10、景気刺激策を発表したが具体策にかけ、この日から株が下がり始めた。頼りなさそうな議会証言も評判が悪い。
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