安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ワシントンのゴードン・ブラウン
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〈 2009年 3月 4日 水曜日 )


●ブラウンはビジネスライクに
ブラウンとオバマの記者会見を見る。特別な関係を口にしながら、よそよそしい空気。ブラウンは馴れ馴れしさを許さない政治家であり、プードル視されるのを避けたいからではない。一方、オバマは仲間と酒を飲んで遊んだ経験がなく、そういう場所ではシラけるタイプである。だからといって個人的な好みや性格は政治家としての能力と関わりない、と断った上で、しかしジョージとトニーは、取り立てて用件がなくても電話でおしゃべりする気安さがあった。政策/意見を異にしてもフレンドシップの堅い絆があった。ブラウンとオバマは盟友であってもゴードンとバラクの関係にはなり得ない。

●景気回復国際協力は限定的
会談後の共同声明はなかった。経済政策で国際協調は大事だが、英米それぞれ自国を中心とした国際協調を考えている。そもそもEU内ですら自国産業の保護が第一義であり、サルコジのフランスは域内の子会社や下請け企業をカットして自国の本社企業を救済する。ブラウンが考えている新経済システム、新ブレトンウッズ、グローバル・ニューディールなど構想は雄大だが、実現性はゼロに限りなく近い。画餅でしょう。国連に経済部がありますね。データを集め統計を作り経済政策を提言するのですが、機動力にかけ役にたっていません。4月にロンドンで行われるG20経済サミットで達成できるのは、せいぜい金融商品の規制強化と国際的な金融監視機関の設置だろう。あとはオバマのような言葉のレトリックで締めくくる。

●MY WAY
わたしは各国が互いに文句を言い合いながら持ち場の景気回復に独自の方法で励む。それが早道だと考える。であるからオバマが昨今の株安に "What you're now seeing is ... profit and earning ratios are starting to get to the point where buying stocks is a potentially good deal if you've got a long-term perspective on it," ぶっちゃけて意訳すると「今がチャンス、株を買いまくれ、儲かるぞ」。国民を叱咤するのはよいことだ。責任はとらないが……

今日はブラウン初めての議会演説である。議場の反応が新しい米英関係を象徴するだろう。(了)



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