安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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中東のヒラリー・クリントン
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〈 2009年 3月 4日 水曜日 )


●二国共存に立ちはだかるネタニヤフ
ヒラリー長官がエジプトから翌3日にイスラエルを訪問。ペレス、オルメト、リブニ、バラクと和やかに会談し次期首相のネタニヤフとは互いに自説を手短に交換して終えた。ヒラリーは8年前のブッシュ『中東和平ロードマップ』を踏襲した『二国共存が不可避』unescapableの立場、ネタニヤフはパレスチナ国家を認めない。創造的思考creative thinkingを促した。互いの出発点はわかっているから愛想良く終えたが、ヒラリーはこの石頭をどうして攻略するか頭が痛い。

差し当たってイスラエルの関心事はイランの核である。米政府が期限を切ってイランと話し合うよう国防相のバラクとタカ派のネタニヤフから迫られた。
加えて、イランで拘束された米の若い女性ジャーナリストをどうやって解放させるか、ヒラリーの頭痛の種はつきない。

●アッバスは絶望的
今日4日はパレスチナ西岸へ。ラマラでネタニヤフよりもっと石頭のアッバスと会う。アッバスは二国共存に賛成しているが、この和平案を潰してきたのはアッバスの方だった。実際、ハマスの要求する67年の境界線に戻すより厳しい49年の休戦協定ラインを主張してきた。国外パレスチナ人帰還問題やエルサレム帰属問題で譲らず、この姿勢は多額の援助金を得ても、いざ交渉になると最後まで歩み寄らない。ハマスが参加するしないに関わらず、ヒラリーの和平調停は絶望的である。状況はコーリン・パウエルとコンドリーサ・ライスの時より嫌悪だ。

●ブッシュに面会拒否されたノルウェー首相
余談ですが、エジプトの支援国会議で当地のストーレ外相(会議の共済国)が休憩時の立ち話にクリントンに向かって「和平交渉にハマスを加えてはどうか」と詰め寄った。ノルウェーは労働党のストルテンベルグが左派と連立して2005年に首相になってからというもの、米との関係がシックリしない。ワシントンはノルウェー首相の会談申し込みを拒否し続け、ブッシュに会えない唯一の西側首脳でした。ガザ攻撃に抗議して当地の財務大臣がイスラエル大使館へのデモに加わったほどですから、オバマと会うのも容易ではない。
(了)



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