安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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閑話あれこれ
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〈 2009年 3月 3日 火曜日 )


「これから政局の話は一切しない」。麻生降ろしに関わりたくないからでしょうか、ヘソを曲げたりして大人気ないこと。いかにも小泉氏らしい科白ですね。

首相が給付金を受け取る:いいじゃないですか、受け取らないと言って叱られ、受けると言っては定見がないと非難される。首相が貰おうが断ろうが制度にかわりはない。箸の上げ下げにあれこれ批判するヒマがあったら補正予算の成立に努力せよ。

●落札してお金を払わない愛国者
イブ・サンローランの遺品競売で競り落とされた中国清朝のブロンズ獣頭ふたつが落札者の「おちょくり」だとはね。競売妨害ですよ。これが中国では逆に文化遺産を守ったとブログは賞賛で満ちている。競売前から中国が公式に略奪された文化財の返還と競売を非難していましたから「お墨付き」の声である。落札者は「海外流出文化財救出基金」のコンサルタントでMrカイ・ミンチャオという典型的な事務員さん風の人。記者会見で「愛国行動」と正当化し、何度もお金はありませんと気弱に言う。手数料くらい払えよ。基金が聞いて呆れますな。ブロンズ獣頭は十二支の鼠と兎の二品、36億円で落札した。写真で見てもよくて重文クラス、逸品でははない。同日の競売でマチスの絵はひとけた上でした。

十二支頭像は第二次アヘン戦争で追進した英仏軍が、北京の離宮から略奪したとされる。うち五つの頭像が中国にもどっている。西側でも返還すべきという意見が絶対多数である。だが大英博物館ほかにある膨大で価値あるエジプト考古品はどうすべきか、もはや定住地はロンドンである。ここの中国展示階もまた圧巻である。略奪したものもあるが中国人の狼藉で散った仏像、絵画、什器、その他美術品を中国商人が二束三文で売った物品だ。

海外にある日本の美術品は、略奪されたものではないが盗品を古美術商か売りさばいたもの、神社仏閣から直々にただ同然で買ったものである。売った方も同罪だ。いまさら返すのが義務といえないだろう。あやまった過去の歴史をぶり返し具体的に取り返そうとするなら世界は立ち行かない。中国はクリスティーズの良いお得意先であるが、中国事務所が活動規制を受ける。今後、略奪中国品を競売のかたちで仲介できないだろう。残念だ。

● AIG 3度目の救済
保険大手AIGが米史上最大の企業赤字を出した。第4四半期617億ドル、約6兆円。財務省とFRBから3度目の資本注入300億ドルをうけた。一旦、国営並になったら『毒食わば皿まで』か。

ノルウェー北海でニシンが今年は面白いように穫れる。殆どがロシア、東欧、アフリカに輸出され、ノルウェー市場には2%しか出ない。なぜか、地元では食べないから。サバは殆どが日本へ輸出され地元では最近増えて5%くらい。なぜか、地元ではあまり食べないから。なぜか、ポテトとニシンまたはサバは貧乏人の食い物とされてきた。オイルサーディンと薫製ニシンはビユフェのテーブルに出ているが、レストランのメニューにニシンやサバ料理はないのです。バカなこと。拙宅ではよく食べる。

●クジラを食べよう
日本政府がノルウェーから鯨肉5.6トンの輸入を承認した。アイスランドに続き誠に悦ばしい。当地は小魚を食べる近海のミンククジラを漁場環境に合わせ毎年捕獲高を設定して700-1000匹ぐらい採っているが赤身しか食べない。それもごく僅かである。売れないものは冷凍2年で政府が買い上げ処分してきた。食べないオノミやウネやコロもいつか日本が買ってくれるだろうとローマジ書きした箱に冷凍しておくが2年後に廃棄処分。モッタイナイ。麻生さんはよく決心されました。これまで当地の首相がじきじきに鯨肉買ってくださいと訪日した事もあったが、橋本さんから小泉さんこのかたIWCがこわくてウンと言わなかった。

●45億ドル、笑いがとまらないアッバス
『パレスチナ援助国会議』に来たヒラリーさん、首長ではないからサルコジ、ムバラクからバン・キムーンやアッバスまで、長ったらしい演説を聴かされてからお鉢がまわる。本日の主役でも地位で席次が決まる国際会議だから仕方ないか、とはいえ気の毒ですね。 昨日のコラム「喜捨て」に加えてEUが5.5億ドル、サウジが10億ドル、総額は70カ国から予想を上回る45億ドルが集まった。半分がガザへ、半分が西岸へ振り分けられる。アッバスへのテコ入れは西岸パレスチナ人をスポイルする悪習だ。ヒラリーは武装ハマスに渡らないようガザの復興監視を条件にした。会議ではイスラエル批判がどの国からもなかった。明日はヒラリーとネタにエフの対決に注目、ネタにエフが首相のとき、クリントン大統領の和平案を蹴った上、お説教して追い返した因縁がある。(了)



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