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ダヴォス2009
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〈 2009年 1月 31日 土曜日 )
● 麻生さんダヴォスに遅れて登場
ダヴォス会議そろそろ閉幕のときになって日本の首相が赴き31日に演説される。計3000人の政界、ビジネス、学会、文化人トップクラスの出席があるが半分は帰りました。米の抜けたダヴォスで英ブラウン首相が初日の基調講演から最後までいるようですが、プーチン、温家宝、その他各国トップたちはそれぞれ秘密会儀、個別会談を終えてほぼ帰国。麻生さんはCO2排出規制など環境問題をテーマに演説する。それも結構ですが出席全員の関心事は日本の経済悪化です。カルロス・ゴーンはニッサン-ルノーのシナリオを語ります。日本全体のシナリオを過不足なく話すのが麻生首相のつとめでありましょう。 IMFが06年主要先進各国GNPの予測で最も落ち込む国は日本-2.6%、と発表。イギリスより悪くアメリカ1.8%よりはるかに悪い。各国の関心はコレ、麻生さんがどういう受け答えをされるのか、「世界でいちばんはやく経済危機から脱出する」などと強がると円高続伸を招かないか恐々です。諸国との協調姿勢を強調しておくじゃありませんか。 話はかわりますが、29日オバマが昨日麻生さんに電話をかけて,10分ほど直接英語で話し合った、と米メディアが麻生首相の第二言語を好意的報道するのを聞きました。米国債をたくさん買ってくれる日本がアメリカより悪い事に同情と気まずさがあるのだろう。よけいなお世話ですがね。 ●ヴァレリー・ジャレット?どなたでしたっけ 米はガイトナーとサマーズ、それに安保特別補佐官のジョーンズが来る予定でしたが折からのTARP2議会工作で心配なオバマは3人とも離さなかった。で。代理にサマーズの配下にいる経済補佐官のジャレットを送ったのですが、いやもう全然ニュースになりませんでしたな。ビル・クリントンやジョージ・ソロス、JPモーガンのダイモンや経済学のスティグリッツがパネル・ディスカッションにでていたが、やはり政府の責任者が来ないと中露流の遠慮ない米金融界非難が続出する。 ●メラケル新しい金融システム「国連経済理事会」を提唱 グローバルに綾織り状態になった金融システムが、ニューヨーク、ロンドン、ブリュッセル、香港、東京、上海各地でバラバラなシステムである。これをできるだけ統一しようとブラウンが言い出したけれどいまはそれどころじゃない。サルコジやメラケルは国連に経済委員会を設けても同じ事を言いつづけていたが、メラケルが昨日のダヴォス演説で国連にPost Cricis Economic Chaeter危機後経済憲章なるものを提唱した。メレケルは言う「ちょうど第二次大戦のあとに国連安全保障理事会が発足したように、ゆくゆくは国連経済理事会を創設し、世界経済の秩序を守るかたちにしたい」 ●エルドガン故国に凱旋 ダヴォス中東討論のパネリストにトルコのエルドガン首相が臨席のイスラエル大統領シモン・ペレスにガザ攻撃の非人道ぶりを非難、これに対しペレスが珍しく声を荒げて正統性を訴え25分喋り続けた。さすが説得力があり、反イスラエルの聴衆はもちろん拍手はないがやじらない。司会者が絶対の民主的討論といえちと長い。その前のエロドガン発言は10分くらいでした。で、たまりかねたエルドガンが反論しようとすると司会者(WポストのD.イグナチウス)が遮ったんだな、「ちょっと喋らせろ、私派15分まだ喋る権利がある」と抗議しても司会者は拒否。これじゃ誰だって怒ります。機転の利かない司会者が100%悪い。で、エルドガンは2度とダヴォスには来ないと退場、バン・キムーンはポカンとし、アラブ同盟のムーサは立って握手をもとめ、ついでに自分も連帯しようと退場した。司会のイグナチウスはテレ笑い。顔をそむけ沈思するペレス。それぞれの性格が出て絵になっておりました。 そのまま飛行機で変えると空港はイトルコの名誉を守り、イスラエルの蛮行を糾した英雄を迎える群衆と国旗で埋まった。このことが何を意味するか。イスラエルとトルコ、ハマス、パレスチナ、への影響、イスラム世界、民族主義などについて次回に考察してみたい。(了)
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