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中東デモ、オスロで騒擾ほか
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〈 2009年 1月 10日 土曜日 )
●欧州向けガス再開
EUガス監視団が9日、ウクライナ首都キエフに入った。ロシが送った監視団とウクライナの3者でウクライナ経由欧州向けの天然ガスが滞りなくパイプを流れるかを監視する。つまりウクライナが抜き取らないよう監視する。ということで早ければ本日土曜日から欧州向けの本格供給が再開される。EUはロシア産のガス消費は25%で緊急事態ではでないが、東ヨーロッパには暖房を100%ロシアのガスに依存している自治体が少なくない。代金を払う欧州には人権を先行して解決し、代金を払わないウクライナに人権考慮は不要、供給は今後の話し合いによる。ユーシェンコ+ティモシェンコの責任だ。 ●国連停戦決議、当事者双方が拒絶 国連停戦決議はアメリカがエジプト案に考慮して棄権したが、採決された。ブラウンのとにかく停戦を求めるこのイギリス案にたいし、議長声明ではダメ決議にしろ、イスラエル批判を書き入れろ、やれハマスに言及しろ(先に流れたリビア案)とアラブ諸国が詰め寄った。そこで英仏米が「すべてのテロ行為を非難する」一文を加えると申し出、それで妥協。頑だったアラブこれはオドロキの部類に入ります。 当時者、イスラエルとハマスはけんもほろろに突っぱねた国連決議ですが、国際世論はイスラエル非難が一層高まる。イスラエルはなおも空爆と地上侵攻に励み、ハマスのロケットはさらにイスラエルの内懐に到達するようになった。いまやハマスの武器はロシア製を駆逐して中国製がハバをきかせている。資源以外は小火器がロシアの外貨稼ぎ筆頭だったが、中国に奪われている。 さて、停戦交渉に期待がかかる「エジプト案」の締結に三角関係のイスラエル、パレスチナ、ハマスの代表がそれぞれカイロに入った。ムバラクが個別に会談して落としどころを探る。もしこの交渉が失敗すれば、後はない。イスラエルが攻撃を停止し独自に撤退するのを待つよりほかないだろう。05年9月にイスラエルは一方意的にガザ撤退を断行した前例もあり、今回の作戦に長居はしないと言明しているので、わたしの考えでは週明けを待たずに攻撃停止がある、とまだ期待できる。 ●中東デモ、オスロで騒擾 木曜の夜、オスロの中心で警察と移民の若者が衝突、催涙ガスと道路幅いっぱいの柵を前につけた大型車で押し返した。 この日はノルウェー全国各地で即時停戦と平和のたいまつ集会/行進デモが行われ、オスロで国会議員、党首などを含む約80の団体から2万人が集まった。騒擾がおこったのは移民の多いオスロ、逮捕者27人の大多数がイスラム系の若者である。投石、花火、火炎瓶、並木に放火トライ、商店のウインドウを割るなどの狼藉を働いた。こんな暴徒はノルウェーで初めてのできごと、北欧ではストックやコペンではあったけれど、欧州大都市に共通の現象といえる。 これら少数の騒擾グループがたいまつ行進の先頭に入り込んで暴れ回るのを平和裏に集まった2万人の参集者はなすすべもない。本日,土曜日にもガザ攻撃反対デモがあり、スウェーデンとデンマークから同種の狼藉者が暴徒に加わるという。 なお、平和裏な集会/行進、イスラエル支援の団体やこのグループを挑発する若者グループ、騒擾の様子などすこし長い映像がここにあります。(了)
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