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サルコジ、ガザ停戦の立役者に
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〈 2009年 1月 7日 水曜日 )
●『エジプト案』を演出したサルコジ
ガザ攻撃11日目がすぎたところで停戦にほのかな灯りがみえてきた。爆撃の被害を癒し破壊されたガザを復興するのは、誰あろうイランやシリアやヒスボラじゃありません、欧米の支援金です。日本も無心される。経済テコ入れにどの国も大規模財政投入をやりながらまたお金だ。ハマスが正しくないのは概ね世間に周知されたのですからもう十分ではないか、今週中の撤退を望む。 いま国連にアッバス、アラブ各国の外相、EU、ライスなど集まっているが、安保理の席でアッバスがエジプトによる緊急調停案を受け入れる演説を行う予定。仲介したのは米ライス、英ブレア、EUのソラナ、などの尽力の結果ですが、一番表に出たのがサルコジ。この緊急停戦が一時的にせよ成立すれば、第一の功労者はサルコジです。09年前半のEU議長国はチェコだが、チェコ大統領では不慣れでたよりないからなのかサルコジの中東シャトルは2日でシリアのアサド、オルメト、アッバス、11日はムバラクと同意をとりつけ「エジプト案」として出すよう説得。トントン拍子に進んで唖然としました。 ●武器弾薬の密輸トンネル やはり2日前にブレアが一時的な停戦は可能とCNNの国際主任通信員のC.アマンポオーの単独インタビューでつぎのように述べた。キーとなる条件はガザとエジプト国境のトンネルを全て破壊し、武器弾薬の密輸を断ち切る。そのための国際監視団をエジプト側に配置する、というものだった。シンプル過ぎてエ、それでいいの?とても信じられなかったが、英・米・仏・イスラエル・パレスチナ・シリア・トルコが同意した『エジプト案』の目玉はこれだった。あとはムバラクがハマス(在シリア指導者マシャル)を説得できるか否かにかかっている。 ●物資支援の人道回廊 攻撃の合間を縫ってガザ地区にHumanitarian corridor 人道回廊を設置することにオルメトが同意した。加えて市民が生活物資を得られるように毎日3時間攻撃をストップする。この生活支援物資を運ぶ聖域通路については国際赤十字や国際医療支援組織をはじめ各国外務省が攻撃初日から要求しており、最近の戦争勃発における常識である。運び込まれる子供、満員の病院、薬が不足、自家発電が後1日しか持たない、などの様子は以前からガザにいるジャーナリストが映像をおくっている。ま、記者さんたちは一番安全な病院や国連事務所の近くにいるのでそうゆう映像が多いわけで、茶の間で見ている国際世論の心証は「酷いイスラエル」となりましょう。 ●「ハマスの責任」とは しかし戦争は断じてキレイごとではない。爆撃が避難場所の学校に落ちるケースは起こりえる。バルカンでも止めに入った戦闘機の爆撃で多大の民間人が犠牲になったが、ではセルビアの民族浄化を止めに入ったのは間違いですか。イスラエルの場合、毎日50発100発とロケット砲が飛んできて、市民が疎開し国境から40キロ内の学校がみな封鎖される毎日が10日続き抗議・警告しても全く聞かない。どうしますか。もし仮にです、日本の沿岸に毎日50発100発の爆弾が落ちて避難生活が10日続いたとしたら、世界のどこも相手にしてくれず砲弾は止まない。それでもあなたは黙って耐えますか。「ハマスの責任」は茲にあります。(了)
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