安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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景気テコ入れと国際義務
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〈 2009年 1月 1日 木曜日 )


●様変わりした歳末炊き出し
浮浪者に温かいドンブリをふるまう歳末炊き出しは、マッカーサーがいたころから行われてきた。それは季節の風物詩のようにとけ込んでいて、浮浪者、野宿者や物乞いさんが「ホームレス」と呼び方がかわっても景気に関係なく、やはり風物詩であった。それはここ北欧でもかわらない。ホームレスのための無料食事所があるが、屋外で救世軍や支援団体の炊き出しが風物詩になっている。また困っている人のため市民がする広場のツリーの下にプレゼントをおく風習もあったが、最近は社会的モラルの低下でこの良風が廃れつつある。せちがらくなりました。

さて、2008年は様子がちがう。日比谷公園に年越し派遣村とか、失業者を助ける善意の運動に熱気がある。リアリティーとしては倒産、解雇の勢いに変化はないが、それを言っちゃ身も蓋もない。ほのぼの日本列島を一日でもいい温もりを運んでくださったボランティアのみなさまに感謝。

失業するかしないかはその人の努力とまず関係ない。運、不運に関わる部分がはるかに大きい。実力と勘違して横柄になるラッキー馬鹿がいて、この世はどこでもいつでも、これからも不公平だ。誰を恨むものでもない。

●ストレスをつくる失業者救済の不整備
とはいえ経済力世界第2の日本の地位は3年後も変わらないだろう。グローバルな失業率としては、あいかわらず日本は低く、現在4%ぐらいが前代未聞の7%に増えても欧米の現行失業率である。80〜920年代のフランス、スペイン、イタリアは10%を超えていた。各国は失業者救済を整備して凌いできたが、日本は失業率が5%を超えた事態を経験しなかったため、この面での不整備が社会の過度なストレスに結びついているようにおもう。

●経済てこ入れは国際約束
麻生首相の支持率は21%(28日日経調査)ですか、わたしは首相の景気テコ入れで支持率があがるとおもっておりました。大規模な財政出動を組んだ09年度予算案について内容を知りませんが、首相のマガジンメールではバラマきでないよう新工夫がいろいろあるように読んだ。投入額にみあう効果はないが、これはグローバルに呼応して景気対策を行う国際約束である。せいぜいベストの可能な選択肢であり、否定する部分は少ない。それでいて支持率が下がるとは,いったい何をしてほしいのだ。日本の政治を動かす正体はなんだ。こうなったら特に好きでもない麻生さんですが、わたし、とことんエンドースしますからね。(了)



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