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ハマス潰しはいまのうち
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〈 2008年 12月 28日 日曜日 )
今のうちとはイスラエルがオバマ登場の前、友好的でレイムダックのブッシュが去るまえに攻撃…という意味です。
●イスラエル空軍の総力速攻 イスラエル空軍がガザ地区に100戦闘機と攻撃ヘリでハマスの関連建物170目標を爆撃、225人以上を殺害した。6日戦争(1967)以来の攻撃規模である。目標はハマス本部、訓練キャンプ、武器火薬庫、地下ミサイル格納庫、ガザ地区内各所にある指令センター、カッサムロケットの発射場所など。ガザ警察学校の卒業式への爆撃で70〜80人のハマス武装メンバーが死亡、なかに治安警察のトップも含まれる。 ガザ地区のような過密なところでいくら精密な爆撃方法をとっても周囲の民家にあたることは避けられない。女性子供の死者、負傷者が多かった。 ●欧米の支持を失ったハマス 6ヶ月の停戦期間が終わるまえ、エジプトのムバラクが停戦延長を仲介したが、ハマスは拒否し、実際19日にハマスが停戦終了宣言を行った。以来、カッサム・ミサイルをイスラエル側に数百発を打ち込んでいる。またムバラクは一ヶ月前にハマスとファタとの和平会談をファタがボイコットしたことに激怒し、今回のイスラエルの攻撃を黙認している。 今回の大規模報復は何度もイスラエル側から警告があり、を米はライス長官が「武力応酬の再発はハマスの責任」とツレない。ブレアが首相引退後を中東和平に徹して傾注したにもかかわらずハマスに手こずって一歩も進まなかった。欧米政府の所感は『ほほう。やりましたか、お手柔らかにお願いしますよ、追加攻撃は思いとどまってくれ』くらいだろう。一方でガザ地区への人道的支援を強化するだろうが。 国際世論はといえば、イスラエルが堪忍袋の緒が切れた経緯を知らず、知り得ても無視しますからイスラエルの報復はアンバランスにヒドイ、素手の攻撃に大砲で仕返しするようなものとなる。 ●イスラエルの攻撃は断続的につづく ガザ攻撃を機にマシャル(ハマス指導者)とアッバス(パレスチナ大統領、ファタ派)が一致団結を表明した。これでイスラエルと和平交渉の下地ができたと思えばあまねくプラスである。同時にマシャルは第3次インティファーダ(民衆蜂起)を呼びかけ治安軍をイスラエル側に配置した。イスラエルが追加攻撃に地上軍投入を計画しており、ガザ国境に一師団を移動したことに対峙するため。ま、装備に差があるのでイスラエル地上軍の短期侵攻に支障はない。 中東では、オバマはパレスチナに同情的と思われており、オルメト=リヴィニ=バラクのカディマ組としては友好的で無力中のブッシュ政権の間に一発かましておきたいところだった。2月はじめに議会選挙があり、リヴィニが初の女性大統領にと予想されていたが、強気な保守のネタニエフがリードしている。いま、大規模爆撃に踏み切ったことでリヴィニとネタニエフの支持差が縮小した。私の見解は、2月の選挙まで、オバマの反応を伺いながら ガザ地区への攻撃を断続的に続ける、だ。 ●ポスト・クリスマスセールの次は…… さて当地は雪がまったくないクリスマス3ガ日でした。今年のアフター・クリスマスセールは納得のいく本格激安セールとなった。大きな百貨店などは、ニューヨークやロンドンの映像では開店とともにドっとなだれ込み、入館制限するところも出たほどだ。中小のアパレル小売店もポスト激安セールだが人出はよくない。これほど安売りが出来るウラにはリストラ、再編成予定があり、店じまいを見込んだ小売店もあるだろう。負け組がまた増える、格差社会拡大、閑散とした地方の商店街…渺々侘しい光景が目に浮かぶ。(了)
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