安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ギニアの新顔、キャプテン・カマラ
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〈 2008年 12月 27日 土曜日 )


●ギニア、歓迎されたクーデター
西アフリカのギニアは石油が殆ど産出しないので良く知らないが、金・ダイアモンドが採れた。もうあまり残っていない、ボーキサイト埋蔵量が世界の半分以上といわれるが値は張らない資源だ。鉱物資源は為政者が牛耳っていて、ごく最近までの近隣のシエラレオネやリベリアと同様、その富は国民に分配されない。いずれも草木潤う土地柄、農業国であったが人心が倦むということはおそろしいもので、独裁腐敗政治のため食料支援を求めるまでに窮したのである。これら3国のうち、これまで独裁者コンテが生き延びてきたギニアはで独裁者の病死によって無血クーデターが起きた。最貧国ギニア1千万の国民がクーデターでもいいから新人に託したい気持ちがわからないでもない。

さてこの先はニュースを読んではじめて知ったのですが、クーデターの首謀者で事実上の新大統領になったキャプテン・カマラとは何者か。無名から一躍大統領に市民からオバマ・ジュニアと喝采されたとあっては捨て置けぬ。

●実権大統領になったキャプテン・カマラとは
Moussa Dadis Camaraは軍を出動させたのではないのですな。コンテは時間待ちの危篤状態でしたから準備はあったのだろう、死後数時間で軍が政権を掌握する旨のラジオ声明を出し、25日クリスマスの早朝に現政府に降伏を呼びかけ出頭しない場合は捜索して逮捕するとラジオ声明をだした。ギニアはイスラム教なのでクリスマスに何をやろうが掟に触れない? が、カマラはクリスチャンでした。経済修士、フランス語のほかにドイツ語もできる。学歴軍歴から推察すると30代前半である。

政府機関の公務員は全員軍の兵舎に出頭したという。 そして首相が「お仕え申し上げます」とカマラを救世主のごとく歓迎したのだな。オバマみたいに。昨年反政府デモに警察が発砲150人が死亡した惨事を繰り返すことなく無血革命はこうして成就された。

当初は60日以内に選挙を実施し民政に移行すると言ったが、2年以内に総選挙、2010年12月に大統領選挙と変更した。フランスのメディアに答えたのを英訳で見ると:「権力への意思は持ったことがない、大統領選に立候補する気はない、前政府の不正汚職は国家の信頼に背く、私とわが官僚を買収しようとする者に警告する。金銭は我らの関心ではない、不正を行う者を私は個人的に追跡するだろう。

黙って聞いているままではオバマのように好い事ずくめですね。過去多々あるアフリカのクーデター政権で見事に民政移行を果たした例よりトンデもない独裁者になった例の方が多い。これまでのとこでは唯一セネガルがカマラ支持を明らかにした。また土曜日に首都コナクリで国連、G8、EU、アフリカ連合の代表者を集めて信認を求め、ギニア各界の指導者や政党と会談するという。

アメリカはクーデターを基本的に否定する立場であるが、宗主国のフランスはギニアの事情に精通しているので早い総選挙による民政移行を望んでいる。(了)



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