安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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ノルウェーの不況度は?
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〈 2008年 12月 12日 金曜日 )


●スウェーデン、サーブとヴォルヴォ救済へ
GMとクライスラーへの140億ドル緊急融資が上院でもたついている間に、スウェーデン政府はSaab(GM)とVolvo(Ford)の救済を決定、議会に送られた。本来は米の決定を待ってからの予定でしたが、見切り発車です。計画は25億ドル信用保証、6億ドル融資、ほかに研究開発目的に3.7億ドル提供する。議会に提出スウェーデンの自動車産業は輸出15%、14万人が関連する裾野企業で働いている。スウエーデン議会が否決するようなことはないだろう。

米上院(定員100人)の採決は多数決ではなく60票が必要。民主党50人、共和党49人ですから,共和党から10人ベイルアウトに賛成すればOK。かるいと思われたがブッシュの圧力は空気より軽かった。親愛なるブッシュ閣下に慰めのことばもない。

●ノルウェーの不況度は?
北海石油が47/bドル、もうアウトかと思いきや石油企業が資金繰りに困っている様子はない。自転車操業ではない強みか。受注が減った関連企業では青息吐息、操短や自宅待機がニュースになるが失業率に目立った変化はないが年明けから倒産、失業が確実に増えます。09年の経済成長率は1.3%に低下、戦後はじめての局面を迎える。失業率は2.2%から来年は3.3%、2010年には3.6%に増える予測を統計局が発表しました。要するにこの先2年間は下り坂であることに鑑み、倹約を心がけましょう。金利は小刻みに下げて現在4.75%と、欧州ではトップの高水準。これはもうすぐにでも1%引き下げるべき…と巷の批判が厳しい。

海の向こうのイギリスはどうしてこうも悪いのか、ポンド安でユーロ通貨のアイルランドからフェリーでスコットランドへ買い物に大挙して来る珍現象がみられる。ブラウン首相は09年にゼロ金利政策に突入するだろう。ま、ノルウェーはまだあとがあり、目減りしたものの石油基金がドカっとある。これを財源に来年早々に世界共通となった景気刺激策…道路、橋、トンネル、学校、病院など、公共インフラ整備に注入する。土建屋さん救済策だ。幸い不良債権に手を出していなかったベルゲン自治体はトラムウェイ建設が中断することもなく工事だらけ、さらに新都市計画に熱中しておられる。

資材はイギリスから買った方が経済的だが、それでは景気浮揚策にならないわな。で、建設工事人はポーランド人が大半です。ほかにバルト3国、スウエーデン人の順。いまその3分の1が仕事にあぶれて帰国しましたが、建設業界が活発になると自然に戻って来られる。したがって税金を使いながらノルウェー人の失業率にはあまり貢献しないとおもうのだが。(了)



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