安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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不景気なはなし
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〈 2008年 12月 5日 金曜日 )


●欧州金利、一斉に追加引き下げ
4日、欧州中央銀行は一挙に0.75%引き下げて2.5%に、この下げ幅はユーロ始まって以来。イギリスは1%下げという歴史的な荒治療で2%にダウン。この金利は1694年英中銀が設立されて以来2度目の最低水準、前回は57年前の不況時だったという。これらはすべて何度目かの追加利下げであり、年末をひかえ「もう小刻みにやっておれん」不況感がつたわってくる。

有名企業の人員削減、どこそこが危ないなどの暗いニュースは日常茶飯では免疫というか、麻痺していますが、ロンドン・オリンピック工事に金がない、ヒースロー空港の滑走路拡張工事ができない、サーッカーチームへのスポンサーが寄付をカット、なるニュースを見ると寒々しい。

●スウェーデンとノルウェー
スウェーデンは何度もグローバル不況を上手なマクロ経済運営で切り抜けた。今回も秋まではうまく行くかなとおもわれたが、輸出企業は発注が途絶え始めた。輸出にたよるスウェーデンの弱いところである。1.755引き下げて2%という低金利になった。ノルウェーは現在4.75%だが、今年中に3%にはなると予想される。原油が50ドル以下でオフショー採油の利益はゼロに近い。減産を考慮中です。

ノルウェーは次期戦闘機に米ロッキードのF35とスウェーデンのJAS39 Gripenのどちらかを導入する議論してきた。結局F35にきまり、スウェーデンは冷たい仕打ちをうけました。さて、スウェーデンを代表するヴォルヴォ(フォード)とサーブ(GM)の運命は? 世論調査では@スェーデン政府が国営化。Aノルウェー石油基金が買収。Bトヨタに売却。の順でありました。ま、Sweden政府は資金注入せずグリーン車開発を支援するという、ブッシュが最初に打ち出したビッグスリーへの支援策とおなじです。よって見直しが迫られるのは必至。

●ビッグスリーと公聴会、対話進展
ビッグスリーのCEOたちは自家用ジェットでワシントン入りしたのが叩かれたため、今回はシカゴからそれぞれ自社のハイブリッド・カーで9〜10時間ドライブしてきた。ガソリン代35〜45ドル、ホー安いね。しかし途中で秘書や部長たちと食事をし、お飲み物で総額定期便より割高か。トイレストップもあるので所要12時間以上だろう。そのあいだ『なんでオレこんなアホなまねせんきゃいかんのよ〜』などと文句タラタラでしょうね。ほんと馬鹿なはなしだ。定期便でよかったのに。

宿題レポートを携えて再度公聴会に臨んだCEOたちは、人員/人件費削減、CEOの年収から1ミリオン返上、工場一部封鎖、操業停止、多様なブランドを整理する、などの再建案は陳腐であるが、前回より下手に話す態度が議会とビジネスライクに議論できるようになった。ライブを見てそう感じた。また全米自動車労組のゲテルフィンガーが医療費、解雇者賃金保障など経営のガンになる部分で折れて出る姿勢を示した。ホナ340億ドル融資は生きるかもしれない、と考える議員さんが過半数を占める可能性がでてきた。わたし不賛成。効果は一時的、黄砂に打ち水だとおもう。

●中国、米に経済講義
定例の米中経済戦略対話が北京で2日間行われた。FTの見出しはChina lectures US on economy (以下およその内容:
ポールソン財務長官は人民元の切り上げを要請、米側は中国政府が輸出製造業をたすけるため通貨を低くおさえないかと怖れている。米のお願いはそこまで、あとは中国側から、金融安定化を急げ、中国の在米資産を保護し安全を保障しろ。中銀総裁からは「財政バランスが肝要、米金融危機の原因はクレジットによる過大な消費である。貯蓄率を引き上げ双子の赤字解消に努めよ」と経済のイロハを訓示される。キケン食品の件は議題にならなかった様子。中・米のパワーポリティックスはこんな状態です。つぎはガイトナーがお相手、♪和尚さんに負けるな♪ 応援しますね。(了)



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