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オバマとクリントンの蜜月
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〈 2008年 12月 4日 木曜日 )
30時間ほどネットに接続できませんでした。こちらには問題なし、サーバーとのラインに不都合があるようで、そのうちなおるだろうと思ったら翌日もつながらず、プロバイダーの修復課に電話して調べてもらう。しばらくして携帯に「繋がりました」とSMSがはいり、やってみるとスっと繋がった。
● 大統領に寄り添うヒラリー 下の写真はオバマがセキュイリティーチームを正式に任命紹介した31日の記者会見が終わって退場するところ。ライブではクリントンがオバマに寄って行き、横から少し見えただけでした。翌日当地の新聞に掲載された別角度からの写真。先日のコラム>ヒラリーは相手を制御することも強きに寄り添うことにも堪能だ<どうやら強きに寄り添うようですな。ヒラリーを馴らし、ビルの活動に足かせを填めたオバマの指導力は絶対的である。あと居並ぶ各分野での大物は閣僚であれ補佐官であれ、大統領に従属する立場である以上、大物としての振る舞う空間はない。サマーズ、バイデン、ヴォルカー、リチャードソンらみな地位に似合ったそれなりのサイズに凋み、オバマが統括する・・それが米大統領システムなのだから。 ●オバマの不安とプラグマティズム オバマはなぜクリントン政権時代の古参やバイパルチザンで人材を集めたか、最強の総力を結集した政府をつくるためとか、政権移行をスムースにするため、というのが常識的で無難のない理由です。でしょうね。が、オバマは現実に大統領になって内心不安だ。そりゃビビりますよ、いままでの側近アドバイザーのアイデアでは対処できない問題が山積みしている。標語「チェンジ」の使用度は激減し、ヴィジョンと思想にかわって「プラグマティズム」を連呼するようになった。『我々は民主党でも共和党でもない、アメリカ人だ』なんて、良く言うよ。ま、平気でレトリックをチェンジできるところが偉いのでしょうか。 ●驚異的支持は負の閉塞 選挙中のオバマニアたちは内容のない浮かれ者のため、中道-右寄りになり、安全保障はブッシュ政策踏襲となっても政策に関係なくオバマニアは健在である。リベラル左派のうち少数が落胆したものの、閣僚人事で共和党から批判が出ない奇妙な超党派的人心統一ができてしまった。オバマバルブからアメリカバブルに膨らんだ現今、オバマのユメから即物的に言動を、これ随分かわったのですが批判するのは躊躇われる。支持率は現在78%と驚異的である。小泉純一郎は支持率80%でスタートした。異常な数字は負の閉塞状況を示す。アメリカはいま負の閉塞状況にある。 中東および対テロ対策におけるオバマの国家安保チームは右寄りである。写真右はしのジム・ジョーンズ安全保障補佐官はマケインの友で海兵隊出身。ベトナムの頃の海兵隊出身は生涯グリーンベレー魂が消えない硬派である。ヒラリーはご存知の親イスラエルで、イラク増派に反対したものの増派の成果は認めている(コラム4月9日「米兵帰還は増派分の地上軍2万人のみ」)。さらにWHチーフスタッフのエマニュエルはイスラエルの国益を代表するロビーであった。(コラム11月 10日「オバマの片腕、ランボー」 )。 ゲイツ国防長官は最低一年ということだが、プラグマティストのゲイツは2011年の撤退を見届けるまで留任するかもしれない。前イラク現地司令官のペトレイアスは米中央軍の司令官に昇格したが、米軍の戦略にタッチする。オバマの外交安保チームはイラク戦争のスムースな移行より、踏襲そのものではないか。2ヶ月前まではWe can not afford four more years of Bush! と叫んでいた人が…… ●リベラル左派は国連大使にひとりだけ 写真では先に退場して写っていませんが、外交の側近アドバイザーだったスーザン・ライス国連大使はオバマ政権で最もリベラル、ブルックリン研究所に長く在籍した黒人女性。喋るとミニ・オバマみたいでどうしようもない人物。 選挙中ヒラリーを「化け物/Monster」と呼んでオバマチームから外された赤毛のサマンサ・パワー教授をおぼえていますか?オバマ政権誕生の暁には安保特別補佐官を嘱望されていた人である。オバマが彼女のピューリツア賞受賞の著書「地獄の難題:アメリカと大虐殺の時代」に感激して『チェンジ』を標語にしたネタ本です。プラグマティストのゲイツが留任することに、いまサマンサ・パワーはどんな感慨を抱いているのだろう。(了)
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