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ルーブル切り下げは不可避
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〈 2008年 11月 11日 火曜日 )
●石油成金になんぞ慈しみを垂れん
ロシアの銀行と企業は2003年いらい西側からドルを借りてドルで決済してきた。ルーブルでは借りられなかったから至極当然、ほかに理由はない。そうやってプーチンの資源産業国有化が進みオイル高の追い風を受けてロシア経済は目覚ましい成長をとげてきた。ロシア成金がフォーブスの億万長者にぞろぞろ名を連ねて、それをネタに他愛のないコラムを書いていましたっけ。 それが信用収縮と原油安のツナミがロシアにも押し寄せ、企業はドル融資の返済に行き詰まった。ヒックリ返ってロシアの皆様たいへんでしょうが、わたしはちっとも悲しくない。1998年ロシア経済が破綻、ルーブルが紙くずになり銀行預金が凍結され、年金支給やロシアに特に多い軍人恩給が滞ったときは同情したものですが、原油高騰で潤うウハウハ国家になんぞ慈しみを垂れん、ひさしぶりに達観。 ●ロシア・ルーブルは平価切下げが不可避! 私のメモを見ると出典が判りませんが、ロシアの平均株価は9月24日に1997年と同じ価格。たとえば、ルクオイルイの株がRTS 24.9(ドル建てロシア市場の指数)、これは1997年8月の価格。要するに今年5月から4分の1に暴落してしまった。ロシアはGDPの15%にあたる2000億ドルを株式の買い支えと銀行企業への緊急融資を始めたが、改善の兆しは現れていない。 余談:ロシアのGDPは途方もなく小さい。石油ガス資源と武器輸出以外に見るべき産業はない。石油で暴利を漁り、武器で稼いだり政治的に供与するのは外道-邪道である。一度コケる方がよろしいかと。 ロシアは外貨を溜め込んでいる……6000億ドルあると思いきやロシアの抱える債務が5600億ドルになっていた。外貨保有高が債務返済で吹っ飛んでしまう。強いプーチンはどう対処するのでしょう。危機を奇貨として首相権限を拡大するだろうか。国民多数の目からはプーチンはいつも正しく悪しきを挫く強い指導者である。オルガルヒの何人かをホドロコフスキーのように罪人に仕立てれば人気を維持できる。それが問題だ。 ●原発が乱立する世界? とはいえ、石油価格はいずれ上昇するIAEAのエネルギー予測では2020年後は200ドルを超えて落ち着く、2030年のエネルギー需要は50%増加するという。(ウロ覚えなので違ったらゴメン)私感ではもっと高くなる。いま石油企業は新油田開発にまわす資金がなく、サウジ以外は概ね先細りする。代替エネルギーの開発は金食い虫です。結局21世紀後半は原発が無制限に乱立する世界になるのでは、悪い時代の予感がする。 暗い文になったので御口直しを、Mark Twain (1835-1910)が言いました: Age is an issue of Mind and Matter. If you do not Mind, it does not Matter
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