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ムシャラフ、閑居中
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〈 2008年 11月 4日 火曜日 )
●ノルウェー、アイスランドに1240億円融資
アイスランドのフォロウ・アップです。 先週ヘルシンキで開かれた北欧5カ国サミットで合意できなかったアイスランド支援融資にルウェーが先頭を切って84億Nクローネ(1240億円)を決定。3日、ノルウェー外相ストーレがレイキャヴィクでIMFの融資を補助する支援パッケージをホルデ首相に伝えた。内容は42億Nクローネを2年以内に、42億Nクローネを4〜5年の間に貸し付けるというもの。 政府はこの融資が返済されるというが、期待はうすい。それでも議会の了承は挙党一致で確実視されている。ノルウェーに続いてデンマークとスウェーデンが融資するだろう。他にアイスランドはEU中央銀行と米FRB、ロシア、日本に支援の分担を要請している。しかし北欧とロシアから集まれば再起に必要な40〜50億ドルの目標は達成される。 火山の島アイスランドはエネルギーの85%を地熱利用で賄い、豊かな漁業資源を持つ。コンピューター先端技術もある。人口31万人に比し年間40万人の観光客を迎える観光立国でもある。景気後退だからこそ、アイスランドのように通貨暴落でお金の使い得がある国に旅行者くる、倍増だって夢ではない。 ●閑居がイタについたムシャラフ ユスフ・ギラニ首相は、以前からムシャラフは過去の人、政治の舞台から消えた人に構うことはない、とシャリフ元首相の裁判要求を退けてきた。この意見は代わっていないようだ。トルコの記者とのインタビューで「ムシャラフが政治に関与しない限り、我が政府が行動を起こすことはない。いま彼は目立たないようにしている。政治的活動さえしなければ我々としてもまた問題を増やしたいと思わない。これまで議会がムシャラフ糾弾を議論したことはないし、罰則を求めようと思わない。どうして今の次期に彼のことで悩まねばならないのか?」 部族辺境地帯での政府軍と武装派の戦い、米の無人偵察機による誤爆まがい、経済破綻などザルダリ大統領の手に余る現況ではムシャラフどころではない。だいたいザルダリに何ができる? 3日はイラクとアフガニスタンの中央司令官になったペトレイアス司令官、バウチャー国務副長官とギアニ首相がイスラマバードで会談した。アルカイダとは別のパキスタンのタリバン、部族武装派と停戦話し合いが中心になる。 パキスタン軍との連携、情報交換などをもっと緊密にするためペトレイアスらは前日にキアニ将軍、マジード将軍、ムクタル国防大臣と会談した。こうして見るとザルダリを横において、米が頼む相手は実務を担うギラニとキアニ、すなわちムシャラフが任命した政務と軍務のトップである。ムシャラフはキチンとした人物を選んでいた。(了)
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