安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米、台湾にパトリオット
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〈 2008年 10月 7日 火曜日 )


●台湾へ65億ドルの武器輸出
救済案が可決して、そのゆくへに耳目が集まっているあいだにブッシュは65億ドルの武器を台湾に輸出すると議会に通告していたのですね。いま中国が対抗措置を出してきたので知りました。

65億ドルという価格は、7000億ドルのbailoutにこそ比べようもない小額だがそれでも報道では地対空パトリオット・ミサイル(PAC3) 330発、アパッチ攻撃ヘリ30機、ジャベリン誘導ミサイル182発と発射ユニット20台ほか、対艦ミサイル・ハープーン、保有する米戦闘機の部品など。中国と不慮の事故に繋がりかねない長距離ディーゼル潜水艦や、イラクにたーくさん配備されている大型万能ヘリ・ブラックホークは含まれていない。

●日本の安全に寄与する台湾の守り
ブッシュは中国に配慮して、台湾への武器支援を渋ってきた。馬大統領も武器輸入を早く早くとせっついてこなかったようにおもうのですが、急に輸出を決めた。少しでも財政に役立つなら中国との関係が少々後退してもかまわないということか。いずれにせよ経済はグローバルに停滞する。世界中の二国間経済関係はどっちみち減少する傾向にあるのだから、台湾への武器輸出によって米中外交が冷えても差し障りない。中国だって対岸にミサイルを並べ、潜水艦が遠くまで出回るようになった。対岸のミサイルにパトリオットで迎撃、バランスがとれていいではないか。ハープーンは日本の海上防衛に大変役立ちます。

●限定的に甘んじた中国の対抗措置
中国が対抗措置として突然予定されていた高官レベルの外交使節をキャンセルし、両国軍事関係者や将軍たちの相互訪問を延期した。人道的支援や災害支援の米中協力に中国は参加中止を通告。ただし北朝鮮との核廃棄六カ国協議のような米国が加わる国際協力は継続するという。中国首脳は経済交流や交易面での対米制裁は打ち出していない。できませんよね。また関係良好な台湾の馬政権を極力維持したい。ブッシュはいいタイミングを選びました。(了)

●ベルゲンに冬来る
余談です:当地、ベルゲンに早い冬がやってきた。日曜日、湿った雪で雪だるまをつくる子供たちとウルリケン山の初雪。



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