安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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金融再編たけなわ
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〈 2008年 9月 24日 水曜日 )


●バフェット、名乗り出る
世界金融再編が、ポールソンの不良債券買い取り7000億ドルの救済と呼応するかのように動き出し、概ね落としどころを得たように見える。23日、億万長者のウォーレン・バフェットがゴールドマン・サックスに50億ドル出資、バフェットの投資グループ、バークシャー・ハサウェイが優先配当10%(preferred stock will pay a 10% dividend)を得るという好条件。また5年以内いつでも一株115ドルで50億ドル購入するオプションを持つ。

その前日に三菱UFJ-FGがモルガン・スタンレーに80億ドルを出資。リーマンからの要請を断った三菱がこちらは美味しい話に見えたのですね。筆頭株主といっても20%のシェアですからそれほど口が出せるとはおもえない。再編により、G.SとM.Sともに持ち株会社に移行する。

●ノミュラ(NOMURA)の名声
外国では「ノミュラ」と発音する野村証券がリーマンブラザーズのアジア部門に続いて中東欧州の投資部門を買収する。このニュースは英リーマンの従業員5000人中の2500人のクビがつながるゆえに、大変よろこばれている。社名にNOMURをつかうことで異存ないようです。

で、日本の金融機関が傾いた米の金融機関を買収、投資する事態になってはじめてジャパン金融界がいかに不良債権を処理し健全性を取り戻したかに注目する論考がでてきた。曰く、ゼロ金利、金融市場に円を注入、最後は公金1000億ドルを使って不良債権を買いとり、特別金利で金融機関に融資、株を買い支えることもあった……などなど。そうやって長く辛い空白の10年を経てジャパン金融界は健全に利益を上げ信用を回復した。と。

●一目置かれた米金融界へのジャパン進出
同じことを米は早回しのようにいまやっているわけで、不良債権に日本の1000億ドルの7倍7000億ドルを出す。いまさら日本を見習うまでもないけれど、悪い気はしない。かつて日本が米に次ぐ経済大国に成長したころ、ソニーがハリウッドを買収したり、NYのビルを買いあさったりカリフォルニアあたりの不動産を買い占め、ラスヴェガスにバクチツアーを送り出すなど、浅ましい成金ぶりを晒して米国民の顰蹙をかったことがある。今回の米金融界への進出はどのように見られているのでしょう。お助けマン?火事場泥棒?どっちにしても一目置かれる日本経済の堅牢性をみせました。

救済策や再編成で米金融界が立ち直ることは早ければ早い方がよい。だがしかし早ければ早いほどモラルハザードが顕著になる。すぐ救済されるならトレーダーたちはもっと大胆になる。規制と規制をくぐる金融新商品の開発はイタチごっこです。不良債権を世界に売りまくった証券業界、ヘッジファンドの輩にはもチっとお灸を据えてやりたいとおもいませんか。世の中なめるんじゃねえ!

●ポールソンに大権を一任したブッシュ
ポールソンほど大権を与えられた財務長官はない。不良債権の選択、買取値の決定に批判の余地があっても議会や経済警察が精査・訴追することを禁じている。当初のワクは往々倍に膨らむものです。イラク年間より多い7000億ドル予が、1兆ドルを超してもよいか。ポールソンの絶大な権限についてオバマはOK,
マケインがつぎのように不快感を表しています。(了)
"Never before in the history of our nation has so much power and money been concentrated in the hands of one person. This arrangement makes me deeply uncomfortable,"



Pnorama Box制作委員会

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