安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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パキスタン、市民戦争の兆し
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〈 2008年 9月 23日 火曜日 )


土曜日朝の便でオスロへ。時間通り着いて空港バスに座っていると後からきたおばさんが半額敬老をもらっているではなか。しまった、私も家内も空港バスは私鉄だから敬老はないものとおもい気がつかなかった。一度レシートを切ったものを変えてくれと言うほどでもないのであきらめたが、せっかくの権利を残念でした。

●ホテルで悶着
ホテルのロビーは大きなインドの団体がいっぱいで混雑していた。フロントで部屋の準備ができていないので3時まで部屋がとれない。よかったら同系列のSASプラザに移って頂けませんか、車代はホテル持ちでという提案。ン、ふつうなら喜んでいくのだが、娘の家に近い王宮側のSASを変えたくない。喫煙部屋なら23階にアキがあるというので、キーをもらって入ってみるとやはり匂いが気になります。調度家具類からバストイレに染み付いたタバコの匂いは堪え難いですね。見晴らしはいいが、ここで2泊はキビシイ。しばらく待つことにして13階に落ち着く。

●秋色の高原
帰りは隣の甥夫妻がスウェーデンへ車で一周間旅行しての帰りにオスロから乗せてもらって、初秋の山越えドライブをしてまいりました。ハルダンゲル高原はすっかり色づいて秋たけなわです。このあたりは野生のトナカイや湖のマスが穫れる.どちらも街で食べるより格段に美味しい。早い夕食にトナカイを食べる。10時にオスロを出発して月曜日夜7時に家に到着。

●イスラマバード、ホテルにカーボンブ
ホテルのTVでイスラマバードのマリオット・ホテル爆発を見る。トラックは玄関前で炎上し爆発、クレーターの大きさに驚く。先の太平洋戦争で東京・大阪にB29から雨のように焼夷弾が落ちてきたが、野原に落ちた爆弾でこんな大きな穴はできなかった。先に軍の兵器工場が爆破されたときも規模のおおきさから、テロに使われた爆薬はパキスタン軍から横流し、もしくは犯行グループのなかに軍の爆薬管理に通じている者がいる。

ザルダリ大統領は軍の支持を得ることはできたが、軍を掌握しているわけではない。思い切ったテロ聖域部族地帯への地上軍進撃が必要だが、軍は要所攻撃にとどめるだろう。米軍の越境攻撃による反米感情は反ザルダリ感情に直結する。議員2/3の投票で選ばれたザルダリだが国民の支持率ははや20%もない。

●武装派を統合したマスード
2月の選挙で与党が惨敗しムシャラフが辞任してからこのかた北西国境の部族地域の武装派活動はより広汎で南ワジリスタン、スワト谷、バジャウルなどの各グループが バイチュラ・マスード率いるTTP(Tehrik-e Taleban Pakistanパキスタン・タリバン運動)のルーズな傘下に合同し、政府との対話が5月から途絶えた。いまやこの地域はタリバンやアルカイダと共闘する武装派の完全支配下にあり、マスードの攻撃目標はパキスタン国内の鬼畜米英である。

●市民戦争の兆し
帰ってニュースを拾い読みする。犯行グループの発表ではマリオット爆破で米兵250人他、NATO要員や同盟軍の国の者を殺害したことになっている。実際は殆どがパキスタンの警備員やホテル従業員だったが、部族地域では米の宣伝だという戦争心理にたっている。パキスタンのテロは市民戦争の段階に入った。パキスタン政府とパキスタン軍が武装派を本格的に攻略できるよう自立をうながすため、米軍はしばらく引き下がったほうがいいのいではと思うのですが、現実の米はパキスタン軍を従えて存分にTTPを壊滅させる方針をザルダリに呑み込ませようとしている。(了)



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