安達正興のハード@コラム
Masaoki Adachi/安達正興


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米欧のグルジア支持は誤り
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〈 2008年 9月 10日 水曜日 )


グルジアついて勝手口を吐かせてもらおう。ロシアを弁護するつもりはないが米欧の対応に真っ向から反対でース。

●コーカサスはロシアの故郷
EUサルコジがいくら仲裁に駆け回ろうとグルジアが平和的に解決される見込みは絶対、絶対、絶対ない。Niet! 南オセチアとアブハジアの独立に西側は後押しする勇気を持ち合わせていない。これら自治州と自治共和国はグルジアに編入かなわぬ地域、コーカサスはロシアの故郷である。この言葉前にも書いた覚えがある。

サアカシビリ大統領の民主主義を米欧が金科玉条に庇護するのは間違いだ。あの男にはかまわず、二つの地帯を独立させ、ロシアの影響力がその地に及ぼうと、ホモゲンになって小さなグルジアでまとまればよい。そうすればロシアはグルジアがEUに加盟しようが、NATOに入ろうがウルサく言わない。石油/ガスパイプは滔々と流れるだろう。グルジアとコーカサス、黒海周辺は平和な地域に生まれ変わります。

仮にそうやってグルジアが3国に分割され、本家グルジアが米の支援を受けて生活がよくなれば、南オセチア国とアブハジア国は西寄りに傾き、友好国に発展することも夢ではない。さらにロシアとも。

●米欧のサアカシビリ支援はグルジアのためならず
チェイニーがNATO加盟支持を請け合っているが、あれはリップサービス、ロシアへの牽制のつもりでもマイナス効果しかない。EUは現在のグルジアにEU加盟を実際に許す度胸、というよりも暴挙をおこす愚行はとらない。グルジアをNATOメンバーにすることはロシアと一戦まじえることであり、ロシアンルーレットよりもっと確実に危険なカケである。

EU加盟国であるフィンランドを見てください。NATOメンバーではありません。ロシアと地続きに国境を接するフィンランドは軍事的に中立維持しロシアの猜疑心を取り除いた。国際紛争の国連調停にフィンランド人がしばしば起用されるどこからも尊敬される国になったのです。

戦後のロシアは冷戦時代も含めて縄張りを超えて覇権を拡大したことはない。チェコとアフガンへの出兵、ウクライナなど周辺国へのロシア人移入とロシア化は、他国への攻撃というより縄張りの内で起こったことだ。結果はむしろロシア離れを来した。ロシアは中国より分別のある国だ。国内の言論統制を考慮しても中国より話し合いの道はある。それにはまず挑発しないことが肝要。サアカシビリはロシア熊を何年も挑発し、あげく南オセチアに先制攻撃をしかけた大バカさん、この人の独断的強権のどこに守るべき民主主義があるのか。(了)

後書き:ザルダリを叩くつもりで、まずグルジアに一言しておこうと書き出したらとまらず、パキスタン情勢は明日にまわします。



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